2026年6月10日
金曜日。
「今週も何とか終わった」
そう思って家に帰る。
土曜日は目覚ましをかけずに寝る。
昼近くまで眠った。
少しは楽になると思っていた。
ところが、身体はまだ重い。
外出する気になれない。
日曜日もゆっくり過ごした。
それなのに夕方になると、
「もう明日仕事か」
と思う。
そして月曜日の朝になっても、疲れが残っている。
そんな週末を繰り返していないでしょうか。
疲れているなら、休日に寝れば戻る。
普通はそう考えます。
しかし診察をしていると、土日をほとんど休息に使っているのに、月曜日まで疲れを持ち越している方がいます。
私はこういうとき、
どれだけ休んだか
ではなく、
休んだ結果、どこまで戻ったか
を見ます。
休日は、疲れを返済するだけの日ではありません。
返しても返しても元の状態まで戻れなくなっているなら、睡眠や仕事の負荷を含めて一度確認した方がよいことがあります。
金曜日と月曜日の差を見てみる
一つ、簡単な見方があります。
金曜日の夜の疲労を10段階で考えてみます。
たとえば「8」。
では月曜日の朝はどうでしょう。
「3」まで戻っていますか。
それとも、
「6」
「7」
でしょうか。
健康な疲れであれば、休日によってある程度の回復が起こります。
ところが負荷が蓄積すると、週末を挟んでも十分に戻らなくなります。
月曜日を疲労6で始める。
一週間働いて金曜日には9になる。
土日で6までしか戻らない。
また月曜日が始まる。
これが何週間も続けば、少しずつ余白がなくなっていきます。
私はこういう状態を、
「回復の赤字」
として見ることがあります。
問題は、一週間働いたことだけではありません。
次の一週間が始まるまでに、どこまで戻れているかです。
「休日ずっと寝ていた」は、回復したという意味ではありません
患者さんから、
「土日はずっと寝ていました」
と聞くことがあります。
そこで重要なのは、
「では、月曜日は楽になりましたか」
です。
長く眠ったことと、十分に回復したことは同じではありません。
昼まで寝た。
午後も横になった。
外出しなかった。
それでも、
頭が重い。
身体がだるい。
何もする気にならない。
月曜日のことを考えるだけで気持ちが沈む。
ならば、休息時間だけでなく、睡眠の質や精神的な緊張が抜けているかを見る必要があります。
平日の睡眠不足を休日にまとめて取り返そうとして、起床時刻が大きくずれることで、日曜夜の寝つきが悪くなることもあります。
「たくさん寝た=十分に回復した」とは限りません。
土曜日を今週の疲労に、日曜日を来週の不安に取られていませんか
よく聞く経過があります。
土曜日は疲れて何もできない。
日曜日の午前になって、ようやく少し動ける。
ところが午後になると月曜日の仕事が頭に浮かぶ。
夕方から気持ちが重くなる。
夜になると眠れない。
こうなると、二日間休んでいるようで、実際に自由に使えている時間はとても短くなります。
土曜日は「今週の疲労」に取られ、
日曜日は「来週の不安」に取られる。
休日なのに、仕事から離れている時間がほとんどありません。
これは診察で重要な情報になります。
以前の休日と比べてください
単に「疲れていますか」と聞くより、その人が以前どんな休日を過ごしていたかを見る方が状態をつかみやすいことがあります。
以前は朝から買い物に行っていた。
友人と食事をしていた。
子どもと出かけていた。
映画を見ていた。
趣味をしていた。
ところが最近は、
予定を断る。
外出しない。
昼過ぎまで寝る。
起きてもソファにいる。
食事だけ済ませて、また横になる。
大切なのは「休日に何もしないこと」が悪いのではありません。
何もしない休日を楽しめているなら問題ありません。
見るべきなのは、
何もしないことを選んでいるのか。
それとも、
何もする余力が残っていないのか。
という違いです。
同じように横になっていても、意味はかなり違います。
月曜朝の症状も大切です
週末に回復できない状態が続くと、月曜朝にさまざまな症状が出ることがあります。
目覚めた瞬間から身体が重い。
動悸がする。
吐き気がする。
会社を考えると胸がざわつく。
支度を始めるまで異常に時間がかかる。
「休みたい」と思う。
それでも職場に着くと、何とか仕事はできる。
このタイプは周囲から気づかれにくいことがあります。
本人自身も、
「結局、出勤できた」
という事実によって、自分の負荷を小さく評価してしまいます。
しかし診察では、
月曜日に出勤できたか
だけではなく、
土日を使ってどこまで回復できたか
を見ることがあります。
仕事を続けられているうちに、回復力の低下に気づくことには意味があります。
受診したら、すぐ休職になるとは限りません
この状態で受診すると、
「すぐ休職と言われるのではないか」
と心配する方もいます。
必ずしもそうではありません。
睡眠を整える。
不安症状を確認する。
生活リズムを見る。
薬物療法が必要か検討する。
仕事を続けながら調整できる状態かを見る。
あるいは負荷が大きければ、休養を検討する。
選択肢はいくつもあります。
重要なのは、
まだ働けるか
だけではなく、
今の働き方を続けても回復が追いつく状態なのか
を見ることです。
日曜の夜に「もう一日休みが欲しい」と毎週思う方へ
一週間働けば疲れます。
それ自体は普通のことです。
ただ、
土曜日を全部休んでも戻らない。
日曜日も身体が重い。
夕方には仕事のことを考えて眠れなくなる。
月曜日を疲れた状態から始める。
この流れが毎週続いているなら、一度その経過を整理する価値があります。
当院では、初診前にWEB問診をご入力いただき、症状、睡眠、仕事や生活への影響、治療歴、診断書相談の有無などを確認しています。
当院は完全予約制です。ご記入いただいたWEB問診をもとに、医師が内容を確認し、当院でお力になれると判断した場合に、WEB予約をご案内します。そのため、WEB問診を書けば、必ず予約できるという仕組みではありません。
予約枠が限られているという制約の中で、診療体制上、すべてのご相談をお引き受けできるわけではありませんが、
週末が「休む時間」ではなく、「次の一週間を何とか始められるところまで戻す時間」になっているなら、そのことをWEB問診に書いてください。当院でお力になれるか検討させて頂きます。
保谷駅前こころのクリニック
