第457話 親が同じ物を何度も買ってくるようになったら|買い物・金銭管理から考える認知症・MCI|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第457話 親が同じ物を何度も買ってくるようになったら|買い物・金銭管理から考える認知症・MCI

第457話 親が同じ物を何度も買ってくるようになったら|買い物・金銭管理から考える認知症・MCI|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年6月14日

親が同じものを何度も買ってくるようになった方へ。買い物やお金の管理の変化が年齢相応なのか、認知症やMCI・軽度認知障害の始まりなのか迷うとき、生活管理と治療の選択肢を考える目安を解説します。西東京市・保谷・大泉学園周辺で物忘れ外来をお探しの方へ。

実家に行ったら、冷蔵庫に同じ食品がいくつも入っていた。

棚には、同じ缶詰やレトルト食品が並んでいる。
ティッシュや洗剤も、必要以上に買い込まれている。
同じ調味料がいくつも開いている。
奥から、賞味期限の切れた食品が出てくる。

親に聞くと、

「安かったから」
「必要だと思ったから」
「ちゃんと考えて買った」

そう答える。

でも、家族から見ると、以前とは少し違う。

親が同じものを何度も買ってくるようになると、家族は迷います。

年齢のせいなのか。
買い置きの習慣なのか。
たまたま重なっただけなのか。
認知症やMCI、軽度認知障害の始まりなのか。

すぐに認知症と決めつける必要はありません。

安いときにまとめ買いをすることもあります。
災害に備えて、多めに置いておく方もいます。
昔から買い置きを大切にしてきた方もいます。

ただし、以前はそのような買い方をしていなかった。
同じものが明らかに増えている。
家にある在庫を確認できていない。
買った理由を聞いても、説明が曖昧になる。
財布や通帳、お金の管理にも不安が出てきた。

そのような変化がある場合は、単なる買い物の癖として長く様子を見るより、一度外来で状態を確認する意味があります。

冷蔵庫や棚に並んだ同じ食品や日用品は、ご本人の記憶よりも正直なことがあります。

その違和感は、物忘れ外来で確認すべき大切な情報です。

買い物は、生活管理そのものです

買い物は、ただお金を使う行動ではありません。

家に何があるかを覚えている。
何が足りないかを判断する。
必要な量を考える。
値段を比べる。
支払いをする。
買ったものを持ち帰り、しまう。
次の生活に合わせて使う。

このように、買い物には、記憶、判断力、注意力、段取り、お金の管理が関わります。

だから、同じものを何度も買ってくることは、単なる「買いすぎ」ではなく、生活管理の変化として現れることがあります。

たとえば、

買ったことを忘れて、また買っている。
家にある在庫を確認できていない。
必要な量を判断しにくくなっている。
買い物の予定や段取りが以前より難しくなっている。
支払いの管理にも不安が出ている。

本人は「ちゃんと買っている」と思っている。
けれども、冷蔵庫や棚を見ると、同じものがいくつもある。

その差が、家族にとっての違和感になります。

「買い置き」と「以前とは違う買い方」は分けて考えます

同じものが多いからといって、すぐに問題とは限りません。

もともと買い置きが好きな方もいます。
安いときに多めに買う方もいます。
災害用に備蓄している方もいます。

大切なのは、以前と比べて変化があるかどうかです。

以前は冷蔵庫の中を把握できていた。
以前は同じものを何度も買うことは少なかった。
以前は買った理由を説明できていた。
以前は賞味期限を大きく過ぎることは少なかった。
以前は財布や通帳の管理も安定していた。

その「以前」と比べて変わってきたかどうか。

ここが大切です。

家族は、細かい変化に先に気づくことがあります。

実家に行くたびに同じものが増えている。
本人は困っていないように見える。
でも、家族から見ると少しおかしい。

その感覚は、外来で状態を確認するうえで大切な情報になります。

買い物の変化は、お金の管理の変化かもしれません

買い物の変化は、財布、通帳、支払い、契約など、お金の管理の変化と重なって現れることがあります。

財布をどこに置いたか、何度も探す。
通帳や印鑑の場所がわからなくなる。
お金を渡したことや受け取ったことを忘れる。
説明した手続きの内容を覚えていない。
支払いを忘れる。
以前より大きな買い物や契約の判断が心配になる。

お金に関する話題は、家族が指摘しにくいものです。

「認知症かもしれない」と言うと、本人が傷つくかもしれない。
お金の管理に口を出すと、怒られるかもしれない。
本人の自尊心を傷つけたくない。

そう考えて、しばらく様子を見ることもあります。

しかし、買い物やお金の管理の変化は、ご本人の生活を守るためにも早めに整理しておきたい情報です。

家庭内で責め合う前に、外来で状態を確認するという選択肢があります。

買い物を責める前に、まず状態を確かめる。
それが、早い段階で相談する意味です。

買い物やお金の管理の変化は、MCI・軽度認知障害を考えるきっかけになります

MCIは、認知症そのものではありません。

一方で、年齢相応の物忘れだけとも言い切れない状態です。

同じものを何度も買ってくる。
同じ食品や日用品が大量に買い込まれている。
買った理由を尋ねても、返事が曖昧になる。
説明したことを覚えていない。
財布や通帳の管理が不安になってきた。

このような変化は、記憶だけでなく、生活管理全体の変化として現れることがあります。

もちろん、物忘れの背景には、認知症以外の要因が関わっていることもあります。

不眠。
気分の落ち込み。
不安。
薬の影響。
身体疾患。
生活環境の変化。

こうした要因によって、物忘れのように見えることもあります。

だからこそ、家族だけで「認知症かどうか」を決める必要はありません。

外来で、現在の状態を整理することが大切です。

まだ大きく生活が崩れていない段階だからこそ、原因を確認し、薬物療法を含めた現実的な方針を考える余地があります。

物忘れ外来は、診断名を急いでつける場所ではありません

物忘れ外来は、認知症という病名を急いでつける場所ではありません。

今の生活がどの程度保たれているのか。
家族がどこで困り始めているのか。
買い物やお金の管理に、どのくらい変化が出ているのか。
今後どのような対策が必要なのか。

そうしたことを、一緒に整理する場所です。

物忘れ外来は、認知症が進んでから行く場所だけではありません。
まだ歩いて来られる段階で、これからを考える場所です。

駅前の通いやすい場所で、まずは物忘れと生活管理の状態を確認してみる。

それも、早い段階でできる大切な選択です。

治療の選択肢を知りたい方へ

近年は、認知症がかなり進行してからではなく、軽度認知障害や軽度認知症の段階で治療の選択肢を考える場面も出てきています。

そのため、親が同じものを何度も買ってくるようになった段階で、

「MCIの段階で使える薬があるのか」
「今のうちに薬物療法を検討できる状態なのか」
「専門的な検査が必要な段階なのか」

と考えるご家族もいます。

もちろん、すべての物忘れに薬が使えるわけではありません。

薬を使えば認知症が完全に治る、という話でもありません。

治療薬の対象になるかどうかは、診断、検査、身体状態、通院負担などを含めて慎重に考える必要があります。

それでも、買い物やお金の管理の変化が出てきた段階で、外来で原因を確認し、薬物療法を含めた現実的な対策を検討することには意味があります。

物忘れが進んでから慌てるよりも、まだ歩いて通える段階で、治療の選択肢を確認しておく。

それも、早い段階でできる準備のひとつです。

外来で確認したいこと

生活管理と治療の選択肢を考えるためには、外来で現在の状況を整理することが大切です。

たとえば、

いつ頃から同じものを何度も買ってくるようになったのか。
何を繰り返し買っているのか。
買った理由を本人が説明できるのか。
家にある在庫を確認できているのか。
賞味期限切れの食品が増えていないか。
財布、通帳、印鑑、カードを探すことが増えたのか。
支払い忘れや手続きの不安があるのか。
薬の飲み忘れや予定の確認にも変化があるのか。
眠り、気分の落ち込み、意欲低下が関係していないか。

こうした情報は、物忘れの原因やMCI・軽度認知障害の可能性を確認し、生活管理と、薬物療法を含めた現実的な治療方針を考えるうえで重要です。

ご家族が気づいている変化をWEB問診に入力していただくことで、外来で確認すべき点が整理されます。

物忘れ外来で相談しやすい段階

物忘れ外来は、主に、物忘れが気になりはじめた段階、MCIが疑われる段階、軽度認知症が疑われる段階の方を想定しています。

まだ歩いて来院できる。
診察室で会話ができる。
日常生活が完全には崩れていない。
家族の方と一緒に状況を整理できる。

このような段階で、現在の物忘れや生活管理がどのような状態なのかを確認し、必要に応じて薬物療法を含めた今後の方針を検討します。

一方で、当院は、強い興奮、暴言、暴力、徘徊、介護拒否、幻覚、妄想、昼夜逆転など、進行した認知症に伴う行動・心理症状、いわゆるBPSDへの対応を中心とする外来ではありません。

進行した認知症で、介護困難やBPSDへの対応が中心となる場合には、より専門的な体制、入院設備、地域支援との連携が必要になることがあります。

当院は、進行した認知症のBPSD対応を主目的とする外来ではありません。

その前の段階である、物忘れ、MCI、軽度認知症が疑われる時期に、状態を確認する外来としてご利用いただくことを想定しています。

親が同じものを何度も買ってくるようになったと感じたら

「同じ食品や日用品が大量に買い込まれている」
「冷蔵庫に同じものが何個も入っている」
「財布や通帳を探すことが増えた」
「MCIの段階で試せる治療があるのか知りたい」

そのように感じた方は、まずWEB問診から現在の状態をお知らせください。

WEB問診には、いつ頃から、どのような物を、どのくらい繰り返し買うようになったのかをご入力ください。

同じ食品や日用品が大量にある。
買った理由の説明が曖昧になる。
財布や通帳を探すことが増えている。
支払い忘れや手続きの不安がある。

こうした変化は、外来で状態を確認するうえで大切な情報になります。

当院は完全予約制です。
ご記入いただいたWEB問診をもとに、医師が内容を確認し、当院でお力になれると判断した場合に、WEB予約をご案内します。

小規模クリニックのため、診療体制上すべてのご相談に対応できるわけではありません。
あらかじめご了承ください。

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