2026年1月27日
動悸や息苦しさ、不安が続いているけれど発作とまでは言えない——。
そんな「パニック発作の手前」の状態について、こころとからだの仕組み、受診の目安、整え方を解説します。
大きな不幸があるわけではない。
むしろ、周りから見れば「うまくいっている」ほうかもしれない。
それでも、胸の奥がざわつく。
理由のはっきりしない不安が、ふとした瞬間に湧いてくる。
夜、眠ろうとすると考えが止まらない。
日中も、「このままで大丈夫だろうか」という感覚が離れない。
そして最近、こんな身体のサインが混ざってきた——
動悸、息苦しさ、めまい、手足のしびれ、汗。
「倒れるほどではないけれど、怖い」。
この段階は、パニック発作の手前にあたることがあります。
発作になってからではなく、
発作になる前に整える価値がある状態です。
「不安を感じてはいけない」場所にいるとき
不安の背景には、こんな状況が隠れていることがあります。
仕事や家事は続いている
日常生活は一応回っている
取り立てて「理由」と呼べる困りごとが見当たらない
そのため、
「この状況で不安になるのはおかしい」
「もっと大変な人はいる」
そうやって、不安そのものを否定してしまう。
でも、不安は理由があって出てくる反応です。
「感じてはいけない」と押し込めるほど、形を変えて残ります。
それが、
動悸・息苦しさ・不眠・集中力低下
といった形で現れることもあります。
とくにパニック発作の手前では、
「また起きたらどうしよう」という予期不安が、
日常の自由を少しずつ削っていきます。
• 仕事や家事は続いている
• 日常生活は一応回っている
• 取り立てて「理由」と呼べる困りごとが見当たらない
「発作」ではなくても、身体は反応する
パニック発作は、
ある日突然完成形で起きるとは限りません。
先に、こんな小さな前兆が増えることがあります。
電車や会議、美容院、レジの列など「逃げにくい場所」が怖くなる
人混みや閉鎖的な空間が気になる
呼吸を意識しすぎて、うまく吸えない感じがする
動悸が出ると「このままおかしくなるかも」と思ってしまう
ここで大切なのは、
あなたが弱いからではないということです。
自律神経が、
「ここは危険かもしれない」と
学習しかけている状態である可能性があります。
• 電車や会議、美容院、レジの列など「逃げにくい場所」が怖くなる
• 人混みや閉鎖的な空間が気になる
• 呼吸を意識しすぎて、うまく吸えない感じがする
• 動悸が出ると「このままおかしくなるかも」と思ってしまう
不安は弱さではなく、調整のサイン
不安が強い方には、共通点があります。
• 真面目
• 責任感が強い
• 周囲に気を配り続けてきた
• 「ちゃんとしなければ」と思いがち
こうした人ほど、
不安が出るまで無理を重ねています。
不安は、怠けたい心ではありません。
「今のやり方では、負荷が大きくなっていますよ」
という、こころとからだからのブレーキです。
心療内科でしていること
(パニック発作の手前の整理)
心療内科では、不安を無理に消そうとはしません。
• 不安が強くなるタイミング(場所・時間・状況)
• 身体症状としての出方(動悸/息苦しさ/めまい など)
• 生活や仕事の中で、負荷が重なったポイント
• 「避け行動」が増えていないか
(電車を避ける/外出が億劫になる 等)
こうした点を、一緒に整理します。
必要に応じて、
睡眠や自律神経のバランスを
医療の力で現実的に整えることもあります。
「気の持ちよう」で片づけない調整です。
そして、ここがとても重要です。
発作が起きたときの逃げ道を準備するだけで、
不安が下がる方も少なくありません。
不安は、
「逃げられない」「対処できない」と感じるほど、
強くなる性質があるからです。
受診のサイン
次のどれかに当てはまるなら、
受診は早すぎません。
• 動悸・息苦しさが、週に何度か起きる
• 電車/会議/人混みなどが怖くなり始めた
•「また起きたらどうしよう」で予定が立てにくい
• 眠りが浅い、寝つけない日が増えてきた
• 不安で食欲や集中力が落ちてきた
「倒れてから」ではなく、
生活が崩れる前が、相談のタイミングです。
保谷駅前こころのクリニック
