第156話 シフトワークとサーカディアンリズム――なぜ「眠れない」のか、そして医療が助けになる理由【西東京、保谷、大泉】|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第156話 シフトワークとサーカディアンリズム――なぜ「眠れない」のか、そして医療が助けになる理由【西東京、保谷、大泉】

第156話 シフトワークとサーカディアンリズム――なぜ「眠れない」のか、そして医療が助けになる理由【西東京、保谷、大泉】|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年1月31日

夜勤、準夜、早朝、交代制勤務。
シフトワークで働いている方の多くが、同じ感覚を抱えています。

• 仕事はこなせている
• 気分が落ち込んでいるわけでもない
• ただ、眠るタイミングだけが合わない

これは、意志の弱さでも生活習慣の乱れでもありません。
鍵になっているのは、サーカディアンリズム(体内時計)です。

サーカディアンリズムは「急に動かせない」

私たちの体には、
約24時間周期で働くサーカディアンリズム(体内時計)があります。

•夜になると眠くなる
•朝になると目が覚める
•体温・ホルモン・自律神経が連動して動く

この仕組みはとても精巧ですが、
急な時間帯の変更には向いていません。

シフトワークでは、

•昼に眠らなければならない
•深夜に覚醒したまま働く
•数日ごとに睡眠時間帯が変わる

といった状況が繰り返されます。
体内時計は「少しずつ」しか動かせないため、
仕事の時間に体内リズムが追いつかない状態が生まれます。

その結果、

• 布団に入っても眠れない
• 眠っても浅い
• 次の勤務が近づくと焦って、さらに眠れない

といったつらさが起こります。

シフトワークの不眠は「気合いや根性」で解決しない

よく聞く言葉があります。

•もっと生活を整えたほうがいい
•昼でもしっかり眠る訓練を
•気合が足りないのでは

しかし、サーカディアンリズムの問題は、
努力だけで解決できるものではありません。

体内時計が「起きていよう」としているリズムの時間帯に、
無理に眠ろうとするほど、
脳は覚醒し、不安や焦りが強まります。

ここで必要なのは、
意思ではなく「調整」です。

ロゼレム以外の睡眠薬は「体内時計をだます薬」ではありません

睡眠薬に対して、

•無理やり眠らせるもの
•依存してしまうもの

というイメージを持っている方も少なくありません。
ですが、シフトワークで用いる睡眠薬の位置づけは少し違います。

•体内時計そのものを急に動かすことはできない(サーカディアンリズムの位相を急に変化させることはできない)
•でも、「今は眠る時間だ」と脳に伝える手助けはできる

睡眠薬は、
体内時計を壊す薬ではなく、ズレを乗り切るための補助です。

少ない量でも、十分に助けになることがあります

シフトワークの睡眠相談では、

•不安や抑うつはない
•日中や休日は比較的眠れる
•問題は「特定の時間帯の入眠」だけ

という方が多く見られます。

このような場合、
少量の睡眠薬を、必要なときだけ使うことで、
十分に機能するケースがあります。

•毎日飲み続ける必要はない
•「ここだけ眠りたい」という場面に使う
• 使わない日を意図的につくる

こうした使い方は、医療的にも不自然ではありません。

睡眠薬=必ず依存、ではありません

睡眠薬が問題になるのは、

•目的が整理されないまま
•効き方の確認がないまま
•量や頻度が少しずつ増えていく

といったケースです。

一方、医療では、

•使用場面を限定する
•最小限の量で効果を見る
•翌日の眠気や残りを確認する
•必要がなくなれば、減らす/やめる

という調整を行います。

依存を避けるためにこそ、医療が介入する。
それが現実です。

「病気ではないけれど、眠りは確保したい」あなたへ

シフトワークで眠れないことは、
精神的な弱さを意味しません。

• 働き方と体内時計が合っていない
• それを、無理のない形で整えたい

それだけのことです。

睡眠は、気合ではなく設計で整えるもの。
医療は、その設計を一緒に考えるための道具です。

まとめ

•サーカディアンリズムは急に動かせない
•シフトワークでは、眠れなくなるのが自然
•睡眠薬は「無理やり」ではなく「補助」として使う
•少ない量・必要なときだけでも、十分に助けになる
• 睡眠薬は、必ず依存するものではない

「この働き方を続けたいから、眠りを確保したい」
そう感じたとき、医療を使うのは合理的な選択です。

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