第39話「イヌをモフモフしていて、腫瘍発見?」|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第39話「イヌをモフモフしていて、腫瘍発見?」

第39話「イヌをモフモフしていて、腫瘍発見?」|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2025年12月01日

ソファでくつろぎながら、
いつものようにイヌをモフモフしていたら──
指先に、「なにか」が触れる。

その瞬間、頭をよぎる言葉は、たいていひとつです。
「え、これ…腫瘍?」

もちろん、本当に腫瘍のこともあります。
けれど、動物病院の現場では、実際にはいろいろな「正体」があります。

① 実はただの「毛玉です」

長毛の子や、換毛期の子に多いのがこれです。
毛がからまって小さな塊になっていると、
指で触ったときにコリッとします。

皮膚そのものが盛り上がっているのか、
毛のかたまりなのか、
一度、毛をかき分けてみてください。

毛をほぐしたら消えてしまうなら、
それはただの毛玉です。

② ただの「乳首です」

意外と多いのが、乳首を腫瘍と勘違いするケースです。
オスにもメスにも、乳首は左右に並んでいます。

「片側だけにあるコリコリ」を見つけたと思ったら、
反対側にも同じ位置に“お揃い”であったりします。

左右対称に同じような出っ張りが並んでいるなら、
それは乳首の可能性が高いです。

③ 小さな塊は「ダニです」

皮膚にぴったりくっついた、
小さな豆粒みたいな丸いふくらみ。

よく見ると、足のようなものがついていたり、
色がグレー〜茶色だったりします。
これがダニ(マダニなど)のこともあります。

ダニは感染症のリスクもあるため、
むりやり引きちぎるのはNGです。

疑わしいときは、動物病院で
安全に取ってもらうのが安心です。

④ 子犬でよく見る「へそヘルニアです」

お腹の真ん中あたり、
本来“おへそ”にあたる位置が、
ぷくっとふくらんでいることがあります。

これが臍ヘルニアです。

脂肪だけが出ている軽いタイプから、
まれに腸などが出てしまう重いタイプまであります。

見つけた時点で慌てる必要はありませんが、
去勢・避妊手術と一緒に整復することも多いので、
一度は獣医師に相談しておくと安心です。

⑤ オス犬で気づく「潜在睾丸です」

「おまたのあたりに丸いコリコリを見つけた」
そんなとき、潜在睾丸(停留睾丸)の場合もあります。

本来、精巣は左右2つが陰嚢内に下りてくるはずですが、
片方だけお腹側や鼠径部に残っている子がいます。
触ると、丸いビー玉のようなふくらみです。

潜在睾丸は、将来、腫瘍化のリスクが高くなるため、
原則として去勢手術を検討するべき状態です。

早めに動物病院で相談しましょう。

⑥ 本当に「乳腺腫瘍」のこともある

そして、見逃したくないのが乳腺腫瘍です。

乳腺に沿って、
小さな米粒のようなものから、
ころんとしたしこりまで、
硬さや大きさはいろいろですが、早めの受診がとても大切になります。

乳腺腫瘍には、良性のものも悪性のものもあり、
「触っただけでは判断できない」ことがほとんどです。

レントゲンやエコー、場合によっては細胞診などで、
全体のリスクを見ながら方針を決めていきます。

ちなみに、当院の院長は、獣医師として勤務していた頃、
雄犬の乳癌を診断・手術したことがあります。
「オスだから大丈夫」とは限らず、
どんな子でも油断はできないのだと感じさせられる症例でした。

「腫瘍かどうか」を、ひとりで抱え込まないで

大事なのは、「これは腫瘍かもしれない」と飼い主さん一人で答えを出そうとしないことです。

見た目が似ていても、中身はまったく別物です。

「なんとなく気になるコリコリ」を見つけたら、
かかりつけの動物病院で相談してみてください。

モフモフする時間は、
スキンシップであり、健康チェックの時間でもあります。

もし指先に小さな違和感を見つけても、

「見つけられた自分、えらい」

と思って、一緒に答えを探しに行きましょう。

HSMC

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