2025年12月07日
甲状腺は、首の前側・のどぼとけの少し下にある小さな臓器です。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、一つの臓器だけでなくからだ全体の代謝スピードを調整しています。
このホルモンが多すぎたり、少なすぎたりすると、からだだけでなく、こころにも変化が出ることがあります。
また、甲状腺疾患については、若い方から、高齢の方まで、幅広い年代層にわたり見落とされていることもあります。
甲状腺ホルモンが「多すぎる」とき
甲状腺ホルモンが過剰になると、からだは常に全力のような状態になり、動悸、手の震え、汗が多い、暑がり、体重減少が症状として出ることがあります。
一方、こころの面では、そわそわして落ち着かない、イライラが止められない、不安が強い、眠りが浅い
など、不安症状に近い変化が見られることがあります。「性格が変わったみたい」と感じてしまう方もいます。
甲状腺ホルモンが「少なすぎる」とき
ホルモンが不足すると、全体がスローになります。強い疲れ、だるさ、むくみやすい、太りやすい、寒がり、肌の乾燥が見られることがあります。
一方、こころにも、気分の落ち込み、何もする気力がわかない、集中しづらいといった症状が見られることがあります。この症状は、うつ病の症状にも似ており、「怠けている」「気の持ちよう」と誤解されやすい不調でもあります。
「性格のせい」にしないでほしい不調
甲状腺の異常があれば、内科での治療が必要になりますし、
こころの症状が強いときには心療内科のサポートも役立ちます。
両面からみることで、回復がぐっと前に進むことがあります。
もし今、こんな症状が続いているならイライラや不安が前より強くなった
だるさ・無気力が続いている、体重変化、動悸、冷え・暑がりなど身体の違和感がある
そんなときは、「甲状腺も関わっていないかな?」という視点を持ってみてください。
保谷駅前こころのクリニック
