2026年1月19日
不眠・不安・休職・ペットロスで同じつまずきを繰り返すときは、「構造把握」と「ゲーム(頭の中のルール)」の見直しが鍵です。
「また同じところでつまずいた」
「反省しているのに、次が変わらない」
そんなとき、人は自分を責めがちです。
でも、うまくいかない理由は「意志の弱さ」よりも、もっと構造的なところにあることが多いと思います。
それを整理する言葉として、今日は 「構造把握」と「ゲーム」 を置いてみます。
1. 失敗は「構造把握」が抜け落ちたところから始まる
構造把握とは、ざっくり言えば「全体像をつかむ力」です。
自分の状態を、点ではなく地図として見ること。
たとえば不眠。
「寝よう」と思うほど目が冴える人がいます。ここで多くの人は、睡眠をしなければと思ってしまう。
けれど睡眠は、勝ち取りにいくほど遠ざかります。
体内リズム、光、運動、カフェイン、ストレス反応、薬の使い方。
本当は複数の要因が絡んでいるのに、頭の中では「今夜寝る/寝ない」だけの戦いになってしまう。
全体像が見えないまま戦うと、努力が空回りしやすい。
そして疲れます。自信も削れます。
2. 苦しくなる人は、だいたい「別のゲーム」をやっている
ここでいうゲームは、勝ち負けの話ではなく、あなたの頭の中で採用されているルール のことです。
不安が強いとき、脳は次のゲームを始めやすい。
• ゼロ不安ゲーム:不安を0にできないなら失敗
• 完璧睡眠ゲーム:途中で目が覚めたら負け
• 他人評価ゲーム:誰かに弱いと思われたら終わり
• 最短回復ゲーム:早く元に戻れない自分はダメ
このゲーム、ルールが厳しすぎます。
しかも相手(不安・自責・疲労)は、真面目な人ほど強くなる。
だから「頑張る」ほど負けやすいゲームになってしまうんです。
3. 休職・復職が難しくなるのも、同じ構造がある
休職の相談で多いのは、こういう状態です。
• 体は動く日もある
• でも朝が苦しい/仕事のことを考えると息が浅い
• 「休んでも意味がない」と焦る
• 休むのに罪悪感がある
• そして結局、休み方がわからない
このとき起きているのは、
「回復の設計図」がないまま、出勤ゲームだけが続いている ということ。
医療ができるのは、診断書を書くことだけではありません。
むしろ大事なのは、
• いまの症状(不眠、不安、抑うつ、集中力低下、動悸など)の整理
• 背景(業務量、人間関係、喪失体験、生活リズムなど)の把握
• 体の要因(貧血、甲状腺、睡眠時無呼吸、薬の影響など)の確認
• 休むなら「どのくらい」「何をやる/やらないか」の設計
• 復職の段階づくり(いきなり100%を目指さない)
つまり、構想把握を一緒に作り直すことです。
4. ペットロスのとき、人は「答えが出ないゲーム」に閉じ込められる
「あの子のことを考えないようにしたい」
「でも忘れたくない」
「泣いてしまう自分が弱い気がする」
ここで始まりやすいのが、正解探しゲーム です。
こう感じるのが正しい、こう立ち直るべき を探し続けてしまう。
でも喪失体験は、テストではありません。
大切なのは、正解ではなく あなたの回復に合うやり方 です。
眠り、食事、仕事、家の中の空気。
思い出との距離感。誰に話すか。話さないか。
その調整は、ひとりで抱えるほど難しくなることがあります。
5. 当院でやっていることは「地図づくり」と「ルール変更」
苦しいとき、あなたは怠けているのではなく、
厳しすぎるゲームを続けさせられているだけかもしれません。
診察では、次の2つを丁寧にします。
① 構造把握(地図づくり)
症状を一点で見ない。
生活・仕事・体の状態・喪失体験まで含めて、全体像を整理します。
② ゲームの見直し(ルール変更)
不安や自責が作ったルールを、現実的なルールへ戻します。
睡眠も回復も、「勝つ」より「整える」 のほうがうまくいくことが多いからです。
受診の目安(西東京市・保谷/大泉学園でお悩みの方へ)
• 眠れない日が続き、日中の集中や気分に影響が出ている
• 動悸・息苦しさ・不安で生活が狭くなってきた
• 仕事は行ける日もあるが、朝や週明けが特につらい
• 休職や復職の進め方がわからない
• ペットロスで眠り・食事・仕事に支障が出ている
※胸痛が強い、呼吸困難、意識が遠のく等の急性症状がある場合は、まず救急受診を優先してください。
FAQ
Q. 「心療内科に行くほどじゃない」気がします。
A. 迷う時点で、相談する価値があることが多いです。病名をつけるためではなく、いまの状態の地図を作るために来る方もいます。
Q. 眠れないだけで受診していいですか?
A. はい。睡眠は心身の土台なので、早めに整えるほど回復が早くなることがあります。生活要因・体の要因も含めて整理します。
Q. 休職するか決めきれません。
A. 「休む/休まない」の二択ではなく、期間・段階・職場との調整も含めて一緒に検討します。
保谷駅前こころのクリニック
