2025年12月08日
「動悸がして息苦しい」「汗が止まらない」「集中できない」──
こうした症状があると、多くの方はまず“こころの病気”を疑います。
パニック障害、更年期、ADHD(注意欠如多動症)などが当てはまるように思えるかもしれません。
けれど、実は甲状腺のホルモンバランスの乱れでも、これらとそっくりな症状が出ることがあります。
① パニック障害と取り違えられやすい
甲状腺ホルモンが多すぎると、からだが常に「全力疾走」のような状態になります。動悸、発汗、手の震え、息苦しさ、落ち着かない、これらは、パニック発作の症状と非常によく似ています。
実際、パニック障害と診断されていた方が、後から甲状腺疾患とわかるケースもあります。
② 更年期症状と取り違えられやすい
40〜50代の場合は、ほてり・汗・気分の波があると更年期と考えがちです。しかし、暑がり、汗が止まらない、むくみ、気分の不調といった症状は、甲状腺ホルモンの過不足でも起こります。ホルモン同士の働きが似ているため、紛らわしく感じられるのです。
③ ADHDと取り違えられやすい
意外かもしれませんが、甲状腺ホルモンが少なすぎる場合には、集中しづらい、ぼんやりする、うっかりミスが増える、やる気が出ないなど、ADHDを思わせる症状が出ることがあります。
「性格の問題かな」と抱え込んでしまう方もいますが、背景に甲状腺の低下が隠れていることがあります。
どう見分ければいいのか?
大切なのは、症状だけで、こころの病気と決めつけないこと。動悸・発汗・体重変化、強い疲労感やだるさ、集中力の低下、気分の波、これらが続くときは、まず、甲状腺ホルモンの血液検査をすることで、からだの状態を整理しやすくなります。
このように、こころの不調と甲状腺の不調は、重なって存在する場合もあります。
どちらも確認することで、治療の方向性がぐっと明確になります。
「私の症状はどこから来ているのだろう」を一緒に整理したい
もし今、パニックのような動悸や不安、更年期かと思うほてりや汗、ADHDのような集中のしづらさ、そうしたものが続いているなら、一度「甲状腺も関係していないかな?」という視点を持つことで、状況が変わることがあります。
保谷駅前こころのクリニック
