第67話「怒りが止まらない…獣医さんや家族へのモヤモヤの正体──喪失のあとに起きるこころの反応」1/2|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第67話「怒りが止まらない…獣医さんや家族へのモヤモヤの正体──喪失のあとに起きるこころの反応」1/2

第67話「怒りが止まらない…獣医さんや家族へのモヤモヤの正体──喪失のあとに起きるこころの反応」1/2|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2025年12月16日

あの子を見送ったあと、悲しみより先に「怒り」が出てくることがあります。
獣医さんの説明が足りなかった気がする。家族の言葉が冷たく感じた。
怒りが湧くのは、喪失の痛みを抱えきれないときに起きる、とても自然なこころの反応です。

怒りの正体①:悲しみの置き場所が見つからない
悲しみは、重すぎると受け止めきれません。
すると、こころは、形を変えて外へ出ようとします。
ひとつが「怒り」です。怒りは、行き先を作りやすい。
だから、矛先が獣医さんや家族に向いてしまうことがあります。

怒りの正体②:「守れなかった」という自責
本当は一番つらいのは、「私が守れなかった」という痛みかもしれません。
その痛みは、苦しい。だから脳は、耐えやすい形に変化させます。
「あの病院の対応が悪かった」「家族がもっと協力してくれれば」
そう思うことで、自分の中の痛みを少しだけ遠ざけようとすることがあります。

怒りの正体③:医療の曖昧さに耐えられない
医療には、どうしても不確実さが残ります。結果が読めないこともあるし、選択肢が一つではないこともある。
喪失のあと、人は「理由」を求めます。理由が分かれば、納得できる気がするからです。
でも、完全な答えがないとき、こころが宙ぶらりんになり、怒りに向かいやすくなります。

怒りの正体④:「わかってほしかった」
家族に対するモヤモヤは、「その言い方、違う」ではなく、
「わかってほしかった」が言えない苦しさかもしれません。
「そんなに落ち込まないで」と言われて傷ついた
「また飼えばいい」と言われて絶望した
普段通りの会話をされて、置いていかれた気がしたあなたにとって、あの子はただのペットではなかった。
その温度差が、怒りとして表に出ることがあります。

あなたの怒りは、あの子を大切にしていた証拠です。
怒りがあなた自身を焼いてしまう前に、
少しずつ、痛みの本体に近づいてみるのはいかがでしょうか。

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