2026年2月18日
「もう、この仕事を辞めたい」
生理前になると、本気でそう思う。
上司の一言がいつも以上に刺さる。
同僚の態度に腹が立つ。
仕事中なのに涙が出そうになる。
帰宅してからも、会社で言われたことが頭から離れない。
ところが、生理が始まって数日すると、
「辞めるほどではなかったかもしれない」
と思う。
そして翌月、また同じことが起こる。
PMSと仕事について相談を受けるとき、私は、
「どんな症状が出ますか」
だけではなく、
「その時期に、何を決めたくなりますか」
も大切だと思っています。
職場の問題か、PMSか。その二択ではありません
本当に職場がつらいこともあります。
仕事量が多すぎる。
上司との関係が悪い。
人間関係で消耗している。
無理な働き方が続いている。
それを全部、
「PMSだから気にしすぎ」
で片づけるのは違います。
一方で、
同じ会社。
同じ上司。
同じ仕事内容。
なのに毎月ある数日だけ、
「もう無理」
「全部やめたい」
まで気持ちが振れる。
そして生理が始まると少し戻る。
そうであれば、職場の問題に、月経周期による感情の揺れが重なっている可能性を考えます。
職場が悪いのか、PMSなのか。
どちらか一つに決めなくてもよいのです。
両方が重なっていることがあります。
生理前の「辞めたい」を、なかったことにしなくていい
ここは大切です。
「PMSだから、その気持ちは全部間違いです」
という話ではありません。
辞めたいと思うには、それなりの理由があるのかもしれません。
普段は我慢している不満が、その時期に強く意識されることもあります。
だから、
感情そのものは無視しない。
ただし、
決断だけ、少し待つ。
私はこの二つを分けて考えるのが役に立つことがあると思っています。
退職する。
上司に強いメールを送る。
人間関係を切る。
そうした大きな決断をしたくなったら、
「今日は、本気で辞めたいと思った」
と一度残しておく。
そして、生理が始まって少し落ち着いたときに、もう一度同じ問題を見る。
それでも辞めたいなら、改めて職場の問題として考える。
毎月その時期だけ大きく判断が振れるのであれば、まずその振れ幅を小さくできないか考える。
生理前の大きな決断は、いったん仮置きにする。
それだけで避けられる後悔もあります。
私が見たいのは、「つらさ」より「振れ幅」です
「生理前はイライラします」
という一言だけでは分からないことがあります。
普段の自分と比べて、どのくらい変わるのか。
私はそこを見ます。
普段なら流せる上司の一言が許せない。
普段なら翌日に持ち越さないことを、夜中まで考える。
普段なら「疲れた」で終わるのに、その数日だけ「退職したい」まで行く。
そして、また戻る。
この差が大きいほど、本人も人間関係も振り回されます。
私は、この差を「こころの振れ幅」として考えることがあります。
PMSを診るとき、感情の中身だけではなく、
普段の自分からどのくらい動いたのか
を見る。
それが意外に大切です。
「毎月同じころ会社が嫌になる」なら、日付を残してみる
難しい記録は必要ありません。
「今日は、本気で辞めたいと思った」
「上司の一言に強く腹が立った」
「昨夜は眠れなかった」
そして、月経開始日。
それだけでも構いません。
何か月か並べると、
「仕事が嫌なのは毎日ではなかった」
と気づくこともあります。
逆に、
「生理が終わっても、ずっとつらい」
と分かることもあります。
どちらも大切な情報です。
診察室で役に立つのは、
「PMSだと思います」
という自己診断より、
「毎月このあたりから、こうなります」
という経過だったりします。
生理が終わっても戻らないなら
生理が始まっても気分が戻らない。
仕事はずっとつらい。
眠れない状態も続いている。
不安や落ち込みも一か月を通してある。
そうであれば、PMSだけの話ではないかもしれません。
もともとの不安や抑うつ、仕事のストレスなどがあり、生理前にさらに悪化している可能性も含めて考えます。
「生理前だから仕方ない」で終わらせないことも大切です。
毎月、仕事を辞めたくなる方へ
「生理前になると、仕事を辞めたくなる」
「その数日だけ、職場のすべてが嫌になる」
「生理が始まると少し戻る」
そこまで分かっていれば、診療では十分に大切な情報です。
当院は完全予約制です。
WEB問診をもとに医師が内容を確認し、当院でお力になれる場合にWEB予約をご案内します。
毎月いつ頃から、仕事への気持ちが変わるのか。
そのままWEB問診に書いてください。
保谷駅前こころのクリニック
