第221話 ペットが眠っていた場所を見てしまう夜へ――布団の片側だけが広すぎるとき【東京・保谷駅前こころのクリニック】|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第221話 ペットが眠っていた場所を見てしまう夜へ――布団の片側だけが広すぎるとき【東京・保谷駅前こころのクリニック】

第221話 ペットが眠っていた場所を見てしまう夜へ――布団の片側だけが広すぎるとき【東京・保谷駅前こころのクリニック】|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年3月07日

灯りを消す。

いつものように、足を少し曲げて横になります。

そこまでしてから気づく。

もう、場所を空ける必要はありません。

布団は広く使えるはずなのに、狭かった頃より落ち着かない。

足元が軽い。
寝返りをしても、ぶつからない。
小さな呼吸音も聞こえない。

ペットと一緒に眠っていた方にとって、寝室は特に不在が目立つ場所です。

体は、まだその子の場所を覚えている

端へ寄って眠る。
寝返りを小さくする。
夜中に足元を確かめる。

何年も続けた姿勢は、亡くなった翌日から消えません。

無意識に場所を空ける。
布団の中を手で探す。
重みがないことに気づき、目が覚める。

頭より先に、体が一緒に眠った配置を覚えています。

布団に残っているのは毛だけではありません。その子を傷つけないように眠っていた、あなたの体の記憶です。

幻の気配を感じることがある

布団が沈んだ気がした。
足元に触れた気がした。
首輪の音が聞こえたように思った。

一瞬、戻ってきたと思う。

すぐに現実へ戻される。

強く慣れた音や感覚を、ふとした瞬間に思い出すことがあります。

その体験だけで、現実を理解できていないということではありません。

長く一緒に暮らした感覚が、それほど深く体に残っているのです。

空いた場所を急いで埋めなくてよい

ベッドを買い替える。
家具の位置を変える。
別の部屋で眠る。

それが助けになる場合もあります。

反対に、毛布をそのまま置いておきたい人もいます。

どちらが正しいということではありません。

まだ場所を空けて眠りたいなら、そうしてよい。
抱き枕や畳んだ毛布を置くことが落ち着くなら、それでもよい。

いつか布団の中央で眠れる日が来ても、関係が薄れたことにはなりません。

空いた場所を使えるようになることは、あの子の場所を奪うことではないからです。

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