第467話 子どもにイライラして怒ってしまうお母さんへ|寝顔を見て「ごめんね」と思う夜に|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第467話 子どもにイライラして怒ってしまうお母さんへ|寝顔を見て「ごめんね」と思う夜に

第467話 子どもにイライラして怒ってしまうお母さんへ|寝顔を見て「ごめんね」と思う夜に|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年6月20日

今日も、怒ってしまった。

「早くして」

最初は普通に言っただけだった。

「もう出る時間だよ」

それでも子どもは動かない。

靴下を履かない。

着替えない。

おもちゃを触っている。

こちらは何度も時計を見る。

仕事の時間は迫っている。

そして、とうとう、

「いい加減にして!」

と大きな声が出る。

子どもの顔色がサッと変わる。

その瞬間、

「あ、またやってしまった」

と思う。

でも、一度あふれたイライラは止めることができない。

「何回言ったら分かるの?」

「ママだって忙しいんだから!」

本当は言いたくなかった言葉まで出てしまう。

そして夜。

さっきまで泣いていた子どもが、

何事もなかったような顔で眠っている。

小さな手。

寝息。

無防備な寝顔。

それを見ていると、

昼間はあんなに腹が立っていたはずなのに、

今度は自分が泣きたくなる。

「ごめんね」

「まだ、こんなに小さいのに」

「どうして私は、あんなに怒ってしまうんだろう」

そして最後には、

「私は母親に向いていないのかもしれない」

とまで考えてしまう。

明日は怒らない。

明日はもっと優しくする。

何度も、そう決めてきた。

それなのに翌朝、

牛乳をこぼす。

着替えない。

「ママ、見て」と何度も呼ばれる。

時間がない日に限って、思うように進まない。

そして、また怒ってしまう。

もし、

「怒る」

「後悔する」

「明日は怒らないと決める」

「また怒る」

を繰り返しているのなら、

もう一つだけ考えてほしいことがあります。

本当に、

あなたは「怒りっぽいお母さん」になってしまったのでしょうか。

それとも、

以前よりもイライラしやすい状態に、

こころや身体が変化しているのでしょうか。

本当に、子どもだけにイライラしていますか

最近、

夫にも腹が立つ。

LINEが来るだけで面倒に感じる。

職場で話しかけられると疲れる。

テレビの音がうるさい。

子どもの泣き声が以前より大きく感じる。

家が散らかっているだけで落ち着かない。

何か一つ頼まれるだけで、

「もう無理」

と思う。

そんなことはないでしょうか。

もしそうなら、

問題は「子どもが言うことを聞かないこと」だけではないのかもしれません。

あなた自身が、

以前よりイライラしやすく、

余裕を保ちにくい状態になっている可能性があります。

同じ牛乳をこぼしても、怒る日と怒らない日がある

子どもが牛乳をこぼした。

ある日なら、

「大丈夫。拭こうね」

と言える。

ところが別の日には、

「だから気をつけてって言ったでしょ!」

と怒鳴ってしまう。

子どもがしたことは同じです。

違うのは、その日のあなたです。

前の日によく眠れなかった。

仕事で嫌なことがあった。

夫とけんかをした。

夕食の準備が遅れている。

洗濯物がたまっている。

明日の予定も気になっている。

こころの中には、すでにいくつもの負担が積み上がっています。

そして最後に、牛乳がこぼれる。

本当は牛乳だけに怒っているわけではありません。

それまで抱えてきたものが、

その瞬間にあふれていることがあります。

「ママ、怒らないで」が一番つらい

子どもから、

「ママ、怒らないで」

と言われたことはないでしょうか。

その一言で、胸が痛くなる。

自分でも分かっています。

怒りたいわけではない。

怖がらせたいわけでもない。

この子にとって、

安心できるお母さんでいたい。

だからこそ、

怒ってしまう自分が許せなくなる。

「また怒ってしまった」

「私はダメだ」

「明日は絶対に怒らない」

と、自分をさらに追い込んでいく。

けれど、

ここで大切なのは、

「もっと我慢しなければ」

と考えることだけではありません。

もしこころや身体の状態そのものが変化して、

イライラが起こりやすくなっているのであれば、

意志の力だけで抑え続けるのは難しいからです。

「怒らないように頑張る」だけでは解決しないことがある

子どもに怒ってしまうお母さんの多くは、

すでに十分に頑張っています。

子どもの気持ちを考えている。

育児について調べている。

怒らない方法も検索している。

「否定しない」

「まず共感する」

「子どもの自己肯定感を大切にする」

そんな言葉を見るたびに、

「また私はできていない」

と思ってしまう。

でも、

イライラが強くなっている状態で、

さらに「怒らない努力」を重ねるのは大変です。

目指したいのは、

怒りが出てきたあとに必死で我慢することだけではありません。

そもそも、

以前なら気にならなかったことに、

そこまで強い怒りが湧かなくなること。

牛乳をこぼされても、

以前のように、

「大丈夫。拭けばいい」

と思える余裕が戻ってくること。

そこまで含めて考える必要があります。

「昔の私は、こんなに怒らなかった」

これは、とても大切な感覚です。

育児中に腹が立つこと自体は珍しくありません。

でも、

以前なら流せたことが許せない。

子どもの声が以前よりうるさく感じる。

夫の何気ない一言にも強く反応する。

いつも何かに追われている。

一人になっても休まらない。

「最近の私は、自分ではないみたい」

と感じる。

このような変化があるなら、

単なる性格の問題として片づけないほうがよいことがあります。

特に、

「昔の私は、こんなに怒らなかった」

という感覚は、

今のこころや身体の状態を考えるうえで重要な手がかりになります。

こころの不調は「悲しい」だけではありません

こころの調子を崩したとき、

必ずしも最初に、

「悲しい」

「落ち込む」

という形で現れるわけではありません。

人によっては、

怒りっぽくなった。

余裕がなくなった。

音に敏感になった。

些細なことが許せなくなった。

誰にも話しかけてほしくなくなった。

という形で現れることがあります。

その背景には、

睡眠不足。

強い疲労。

不安。

抑うつ状態。

仕事や家庭のストレス。

月経周期による気分の変化。

などが隠れていることがあります。

最近、

朝からすでに疲れている。

寝ても疲れが取れない。

夜になっても頭が休まらない。

以前楽しめたことを楽しめない。

理由もなく涙が出る。

何をするにも面倒に感じる。

こうした変化まで重なっているのであれば、

「育児中だから仕方がない」

だけでは説明できないことがあります。

背景に治療できる状態があれば、イライラも軽くなることがあります

「子どもにイライラするのに、薬を飲むの?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、

イライラそのものを無理やり押さえ込むために薬を使う、

という意味ではありません。

たとえば、

不安が強くなっている。

抑うつ状態になっている。

眠れなくなっている。

月経前に著しく気分が不安定になる。

こうした状態がイライラの背景にある場合、

その背景にある状態を適切に治療することで、

結果として怒りや過敏さが軽くなることがあります。

以前なら耐えられなかった子どもの声が、

そこまで気にならなくなる。

ちょっとした失敗を、

「まあいいか」

と流せるようになる。

何かを頼まれても、

すぐに「もう無理」とならなくなる。

そうした変化がみられることがあります。

治療の目的は、

「怒りを我慢できる人になる」ことではありません。

必要以上にイライラしなくてもよい状態に、

少しずつ戻していくことです。

薬物療法が役立つこともあります

背景に、

抑うつ状態。

不安症状。

睡眠障害。

PMDDなど月経周期に関連する症状。

といった治療可能な状態がある場合には、

薬物療法によってイライラや過敏さが軽くなることがあります。

もちろん、

すべてのイライラに薬が必要なわけではありません。

休養や生活環境の調整が重要な場合もあります。

一方で、

毎日のように子どもに強く当たってしまう。

自分でも以前とは明らかに違うと感じる。

そのたびに後悔し、

また翌日も同じことを繰り返す。

という状態であれば、

薬物療法を含めて治療を検討する意味があります。

イライラが軽くなり、

子どもに強く当たらずに済む。

自分自身も楽になる。

そうした可能性があるなら、

薬を使うこと自体を必要以上に避ける理由はありません。

大切なのは、

「薬を飲むか、飲まないか」を先に決めることではなく、

今のイライラに、

治療できる背景があるかどうかを見極めることです。

月経前になると、特にイライラする場合

普段より月経前にイライラが強くなる。

子どもの声が耐えられない。

夫の言葉に強く反応する。

何もかも投げ出したくなる。

そして月経が始まると、少し戻る。

このような周期がある場合には、

月経周期との関連を確認することが大切です。

PMSやPMDDでは、

強いイライラや気分の変化がみられることがあります。

「自分の性格が悪くなった」

と思っていたものが、

実は毎月ほぼ同じ時期に悪化していた、

ということもあります。

この場合にも、

症状や経過によっては、

薬物療法を含めた治療を検討できます。

夫の一言に、急に腹が立つこともある

一日中、子どもの相手をしている。

ご飯を食べさせる。

泣けば対応する。

けんかを止める。

お風呂に入れる。

寝かしつける。

自分はゆっくりトイレにも行けない。

そこに夫が帰ってきて、

「今日のご飯なに?」

と言う。

それだけで、

ものすごく腹が立つことがあります。

怒っているのは、

その一言だけに対してではないのかもしれません。

「私は今日一日、ずっと誰かのために動いていた」

「誰も私の疲れには気づいてくれない」

そんな気持ちが、

その瞬間にあふれることがあります。

仕事。

家事。

夫婦関係。

睡眠不足。

自分の体調。

いくつもの負担が重なった結果、

一番近くにいる子どもに感情があふれてしまうことがあります。

「一人になりたい」と思うことがある

「ママ」

「ママ」

「ママ見て」

「抱っこ」

「こっち来て」

トイレの中までついてくる。

一日中、

誰かに呼ばれている。

誰かに求められている。

そんな毎日が続くと、

「お願いだから、一人にして」

と思うことがあります。

そして、

そんなことを思った自分に、

また罪悪感を抱く。

でも、

一人になりたいと思うことと、

子どもを大切に思っていないことは同じではありません。

それでも、

子どもを預けて休んだはずなのに、

イライラが治まらない。

何もしていなくても頭の中が動き続ける。

寝ても回復しない。

そういう状態であれば、

単純に「休めばよい」だけではない可能性があります。

「母親なんだから」で全部を飲み込まなくていい

母親になると、

我慢できて当然。

子どもを優先して当然。

いつも愛情深くて当然。

そんな役割を背負いやすくなります。

けれど、

母親になったからといって、

疲れなくなるわけではありません。

眠らなくても平気になるわけでもありません。

こころが無限に広くなるわけでもありません。

大切なのは、

一度怒ったかどうかではありません。

以前より明らかに怒りっぽくなった。

感情を止めにくくなった。

毎日のように子どもに強く当たってしまう。

怒ったあとに激しく落ち込む。

眠れない。

涙が出る。

何もしたくない。

こうした変化が続いているかどうかです。

「子どもにイライラする」は、診察で話してよい症状です

「子どもにイライラするくらいで、心療内科に相談していいのでしょうか」

そう思う方もいるかもしれません。

もちろん、

育児中に時々腹が立つというだけで、

すべてが病気というわけではありません。

しかし、

「以前とは明らかに違う」

「自分でも怒りを抑えにくい」

「毎日のように後悔している」

という状態であれば、

一度相談してよい症状です。

診察では、

最近眠れているか。

朝起きたときに回復しているか。

以前のように楽しめているか。

不安や緊張が続いていないか。

仕事や家庭の負担はどうか。

月経周期との関連はないか。

そして、

以前の自分と比べて何が変わったのか。

そこを確認します。

そのうえで、

休養や生活調整を中心に考えるのか。

薬物療法が役立ちそうなのか。

状態に応じて治療を検討します。

子どもの寝顔を見ながら、今日も「ごめんね」と思っているお母さんへ

今日も怒ってしまった。

強い言い方をしてしまった。

子どもが泣いた。

そして今、

寝顔を見ながら、

「ごめんね」

と思っている。

もしそうなら、

今日の一場面だけを切り取って、

「私は悪い母親だ」

と決めないでください。

見るべきなのは、

怒ってしまったことだけではありません。

「私はいつから、こんなにイライラするようになったんだろう」

という変化です。

以前はここまで怒らなかった。

以前はもう少し笑えていた。

以前はこんなに疲れていなかった。

その「以前との違い」の中に、

睡眠。

疲労。

不安。

抑うつ。

月経周期。

仕事や家庭の負担。

そして、

治療によって改善できるものが隠れていることがあります。

あなたが取り戻したいのは、

一度も怒らない完璧なお母さんではないはずです。

牛乳をこぼされても、

「大丈夫」

と言える日が、もう少し増えること。

何度も呼ばれる「ママ」を、

今より少しだけ穏やかに聞けること。

子どもが寝たあと、

寝顔を見ながら、

自分を責め続けなくてもよくなること。

背景に治療できる状態があり、

その治療に薬が役立つのであれば、

薬物療法も一つの選択肢です。

「母親なのに薬を飲む」

のではありません。

今より少し楽に。

今より少し穏やかに。

子どもと過ごせる自分を取り戻すために、

必要な治療を受ける。

そう考えてよいのだと思います。

「このくらいで受診していいのかな」と迷っている方へ

眠れなくなった。

朝から疲れている。

以前より怒りを抑えにくい。

何も楽しめない。

涙が出る。

いつも何かに追われている。

月経前になると特に悪化する。

「昔の私は、こんなに怒らなかった」

そんな変化が重なっているのであれば、

「もう少し頑張れば何とかなる」

と一人で抱え続けなくてもよいことがあります。

当院では、

まずWEB問診に現在の症状や経過をご記入いただいています。

問診内容を確認したうえで、

当院で対応可能な方にWEB予約をご案内しています。

「子どもにイライラするくらいで受診していいのかな」

と迷っている場合でも、

イライラだけではなく、

最近の睡眠。

疲労。

気分。

不安。

月経周期。

以前の自分から何が変わったのか。

そこまで含めて、

今の状態を書いてみてください。

怒ってしまったあと、

毎晩、

「明日はもっと我慢しよう」

と決める。

それを繰り返すよりも、

一度、

「なぜ私は、以前よりこんなにイライラするようになったんだろう」

と考えてみる。

そして、

治療できるものがあるなら、

きちんと治療する。

その結果、

お母さん自身が少し楽になって、

子どもに向ける声まで少し穏やかになるのであれば、

それもまた、

子どものためにできることの一つなのだと思います。

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