2026年1月12日
「やめたほうがいいのは分かっている」。
それでも、夜になると手が伸びる。
寝酒は、弱さの証明ではありません。
多くの場合、それは 今日を終えるための応急処置。
眠るため、落ち着くため、胸のざわざわを消すために、あなたの脳がいちばん手近な方法を選んでいるだけかもしれません。
GABAは、脳の「ブレーキ」
GABA(ギャバ)は、脳の興奮を鎮めるブレーキ役。
アルコールは一時的にその方向へ寄せるため、「飲むと眠れる」「考えすぎが止まる」が起こります。
ただし、効き目は短く、代償が出やすい。
眠れるのに疲れが取れないの正体
寝酒の夜は、眠りの質が崩れやすくなります。
夜の後半が浅くなる(途中で起きる、夢が多い、早朝覚醒)
心拍が上がり、体が休まりにくい
トイレで目が覚めて睡眠が分断される
いびき・無呼吸が悪化しやすい
結果として、「寝たのに回復できていない」 朝が増えていきます。
やめられないのは、意志が弱いからじゃない
アルコールが抜けてくると反動でアクセル側が前に出て、
ざわざわ、動悸っぽさ、落ち着かなさ、翌朝の不安が起こりやすくなります。
夜:飲む→眠れる
朝:重い/不安→今日もしんどい
夜:また飲む
これは習慣であると同時に、脳の調整が崩れるループ。気合いだけで切るのが難しいことがあります。
GABAを取り戻すために、いきなりゼロにしなくていい
よくある失敗は「今日から完全にやめる」。反動の不眠や不安で戻ってしまいがちです。
大切なのは、負担の少ない順番 を作ること。
寝る直前を避ける(飲むなら遅らせるより、むしろ早める)
量はゼロではなく、段階的に下げる
飲みたくなる時刻に代わりのブレーキを用意する
(入浴、照明、呼吸、軽いストレッチ、カフェイン調整など)
無呼吸、痛み、抑うつ・不安、生活リズムなど「眠りを邪魔する要因」を先に見つける
「寝酒をやめる」より、寝酒が必要な夜を減らす から始めるほうが続きます。
こんなときは、一度相談してください
休肝日を作りたいのに不安で難しい
飲まないと寝つけない/夜中に起きる
朝のだるさ・不安・動悸が増えてきた
飲酒量・頻度・度数がじわじわ上がっている
睡眠薬や抗不安薬と一緒に飲んでしまうことがある
ここに当てはまるなら、あなたの夜は「根性」ではなく 診療の対象 です。
当院でできること:夜の仕組みを一緒にほどく
当院では、寝酒の相談を「やめましょう」で終わらせません。
睡眠の型(入眠/中途覚醒/早朝覚醒)、不安の背景、生活リズム、薬の影響、いびき・無呼吸の可能性まで整理し、整える順番 を一緒に作ります。
来院前にWEB問診で、
飲む時間と量(週何回、寝る何時間前か)
眠りの状態(寝つき/途中覚醒/早朝覚醒)
起床時のつらさ(だるさ、不安、動悸)
を書いていただけると、診察が具体的になります。
夜は、本来あなたを回復させる時間です。
GABAを取り戻す夜は、ひとりで作らなくて大丈夫です。
保谷駅前こころのクリニック
