2026年3月20日
ペットを亡くしたあと、夜だけつらい。
眠れない。
気持ちが落ち着かない。
そのようなことはありませんか。
昼間は何とか過ごせるのに、静かになると急に気持ちが沈む。
寝ようとしても、あの子のことを思い出してしまう。
写真や動画を見ると涙が出る。
最期の場面や、「もっと何かできたのではないか」という思いが浮かんでしまう。
ペットを亡くしたあとに、こうした変化が起こることは決して珍しくありません。
それは、あの子との時間があなたにとって大切だったからこそ起こる、ごく自然な反応でもあります。
一方で、つらさが長引くと、心も体も少しずつ疲れていきます。
「このくらいで相談するほどではないのでは」と我慢しているうちに、不眠や不安が続いてしまうこともあります。
保谷駅前こころのクリニックでは、院長が精神科医であるだけでなく、獣医師としての臨床経験も有しています。
そのため、ペットロスに伴う不眠や不安、気持ちの落ち込みについて、こころの問題としてだけでなく、動物と暮らした時間、介護や通院、看取りや最後の判断の重みも含めてお話をうかがうことを大切にしています。
今回は、ペットロスのあとに夜つらくなりやすい理由と、まだ日常生活は何とか送れているけれど、少し整えたいときの考え方をお伝えします。
ペットロスで夜がつらくなりやすいのはなぜでしょうか
昼間は仕事や家事、人とのやりとりがあり、意識が外に向きやすくなります。
ですが夜になると、周囲が静かになり、自分の気持ちに意識が向きやすくなります。
すると、
•いつもいた場所を見てしまう
•足音や気配を思い出す
•最期の場面が浮かぶ
•「もっとできたことがあったのでは」と考える
• 家の静けさがいつも以上につらく感じる
といったことが起こりやすくなります。
夜は、悲しみそのものが急に強くなるというより、思い出や後悔、寂しさ、自責感に意識が集中しやすい時間です。
その結果、気持ちが高ぶり、眠りに入りづらくなることがあります。
「夜だけ特につらいのはおかしいのでは」と感じる方もいますが、これは比較的よくみられる反応です。
昼間は何とか保てていても、夜になると心が追いつかなくなることはあります。
眠れないのは、気持ちが弱いからではありません
「まだこんなに引きずっているなんて、自分は弱いのではないか」
そう感じてしまう方もいます。
ですが、眠れないのは気持ちが弱いからではありません。
悲しみや喪失感が続くと、心だけでなく体も緊張しやすくなります。
頭では「寝なければ」と思っていても、こころがまだ休まっていないために、眠りが浅くなったり、寝つけなくなったりするのです。
とくに、あの子が生活の中心だった方ほど、喪失の影響は大きくなります。
散歩、食事、帰宅後の時間、寝る前の習慣。
日常のあちこちにあの子がいたからこそ、夜になると空白が強く感じられます。
そのため、ペットロスで眠れなくなること自体は、必ずしも「うつ病だから」とは限りません。
大切な存在を失ったあとに起きやすい自然な反応としてみられることもあります。
こんな状態は、ペットロスのあとによくみられます
ペットロスのあと、比較的軽い不調としてよくみられるのは、たとえば次のような状態です。
•夜になると涙が出る
•布団に入るとあの子のことを考えてしまう
•気持ちがざわざわして寝つけない
•朝は何とか起きて仕事や家事はできる
•人前では普通にしているが、一人になるとつらい
•写真や動画を見ると泣いてしまう
•周囲に気持ちをわかってもらえず苦しい
こうした状態は、すぐに重いうつ病を意味するわけではありません。
むしろ、あの子との別れのあとに自然に起こりうる反応としてみられることがあります。
一方で、こうした状態が何週間も続き、日中の集中力や生活リズムに影響してくると、心の回復力は少しずつ落ちていきます。
だからこそ、重くなりきる前の段階で整えることには意味があります。
苦しいのは、「悲しい」だけではないからです
ペットロスのつらさは、単純に「悲しい」だけではありません。
そこには、
•もっと何かできたのではという後悔
•最後の判断は正しかったのかという迷い
•周囲にわかってもらえない孤独感
•家の中の静けさへの戸惑い
•日常のリズムを失った感じ
•自分だけが引きずっているように感じる苦しさ
など、いくつもの気持ちが重なっています。
とくに、やさしい方、責任感の強い方、長く介護や通院を支えてきた方ほど、「自分の判断でよかったのか」と考え続けてしまうことがあります。
ペットロスの相談は一般の心療内科でも可能ですが、こうした背景は、一般的な「喪失」の話だけでは語りきれないことがあります。
動物との暮らし、治療の選択、看取りの経過、最期の判断にまつわる思いは、動物医療の感覚も踏まえて受け止めてもらえるほうが話しやすいと感じる方も少なくありません。
その点で、精神科医であるだけでなく、獣医師としての臨床経験もある院長に相談できることは、ひとつの安心材料になりえます。
「ただのペットロスとして片づけられたくない」
「動物のことがわかる人に話したい」
そう感じる方にとって、相談しやすい場になることがあります。
写真や動画を見ると泣いてしまいます。見ないほうがよいのでしょうか
写真や動画を見ること自体が悪いわけではありません。
あの子を思い出す時間は、大切な時間でもあります。
ただ、寝る直前に長時間見続けると、気持ちが高ぶって眠りに入りにくくなることがあります。
特に夜は、思い出や後悔が広がりやすい時間帯です。
そのため、もし「見たあとに毎回眠れなくなる」「気持ちが大きく揺れてしまう」と感じるなら、見ること自体を禁止するのではなく、時間帯を少しずらすほうが現実的です。
たとえば昼間や夕方に見るようにするだけでも、夜の負担が軽くなることがあります。
少し整えたいときの考え方
まず大切なのは、
「こんなに悲しいのはおかしい」と決めつけないことです。
あの子を失ったあとにつらくなるのは、それだけ大切にしていたからです。
涙が出ること自体を無理に止めようとすると、かえって苦しくなることがあります。
次に、夜に思考が広がりすぎるときは、頭の中だけで抱え込まないことです。
たとえば、
•今いちばんつらいこと
•自分を責めていること
•本当は誰かにわかってほしいこと
を短くメモに書くだけでも、気持ちが少し外に出ます。
また、
「このままずっと眠れなかったらどうしよう」
「こんなに引きずるなんて自分はおかしい」
といった考えが重なると、不眠はさらに強まりやすくなります。
そういうときは、
「今はつらい時期なんだ」
「夜に苦しくなりやすいのは自然なことでもある」
と、少し言い換えるだけでも緊張が和らぐことがあります。
まだ仕事や家事はできています。この程度で相談してもよいのでしょうか
はい、その段階でも相談してよいテーマです。
ペットロスというと、「何もできないほど重くなってから相談するもの」と思われることがあります。
ですが実際には、
•仕事には行けている
•家事は何とかできている
•食事も少しは取れている
•でも夜になるとつらい
•眠れない日が続く
•気持ちが落ち着かない
という段階で相談したほうが、長引きにくいことがあります。
「まだ大丈夫」と思っていても、軽い不眠や不安が何週間も続くと、心の回復力は少しずつ落ちていきます。
ペットロスそのものを無理に早く終わらせる必要はありません。
ただ、眠れない、不安が強い、日中の集中力が落ちてきたという状態が続くなら、早めに整える意義があります。
不眠が続くときは、すぐに睡眠薬を使うことになりますか
必ずしもそうではありません。
ペットロス後の不眠では、悲しみ、不安、反すう、自責感、生活リズムの乱れなどが重なっていることがあります。
そのため、ただ「眠れない」という症状だけを見るのではなく、今の状態全体を整理することが大切です。
保谷駅前こころのクリニックでは、不眠に対しても、最初から過度な投薬に頼るのではなく、
•不眠がどのくらい続いているか
•何が夜のつらさを強めているか
•日中の生活にどの程度影響しているか
•不安や自責感がどれくらい関係しているか
をみながら、必要な範囲で整えていくことを大切にしています。
「できれば強い薬には頼りたくない」
「なるべく必要最小限の治療で整えたい」
そのように考える方にも相談しやすい内容です。
受診を考えてよい目安
次のような場合は、一度相談を考えてもよいかもしれません。
•ペットを亡くしてから眠れない日が続いている
•夜になると気持ちが大きく沈む
•涙が止まらず、日中の集中にも影響が出てきた
•不安や自責感が強い
•家事や仕事はできているが、かなり無理をしている
•誰にも話せず、一人で抱え込んでいる
こうした状態は、「重症ではないから様子を見るだけでよい」とは限らず、早めに整理したほうが長引きにくいことがあります。
一方で、
•ほとんど食べられない
•起き上がれない
•出勤できない
•強い絶望感が続く
•消えてしまいたい気持ちがある
など、つらさがかなり強い場合は、よりしっかりした医療的対応が必要なことがあります。
その場合は我慢しすぎず、早めにご相談ください。
まとめ
ペットロスで眠れなくなるのは、弱いからでも、気持ちの整理が下手だからでもありません。
それだけ、あの子があなたの毎日に深くいたということです。
ただ、眠れない状態や不安が続くと、悲しみそのものまで長引きやすくなることがあります。
だからこそ、重くなりきる前の段階で、少し整えることには意味があります。
「仕事や家事はできているけれど、夜がつらい」
「まだ何とか過ごせているけれど、このまま長引かせたくない」
そのような段階でも、相談できることがあります。
保谷・大泉学園・西東京市周辺で、ペットロス後の不眠や気持ちの落ち込みにお悩みの方へ
あの子を失ったあとのつらさは、周囲から見えにくく、理解されにくいことがあります。
だからこそ、
「このくらいで相談してよいのだろうか」
「動物のことがわかる人に話したい」
「強い薬に頼りすぎずに整えたい」
と迷う方も少なくありません。
保谷駅前こころのクリニックでは、院長が精神科医であるだけでなく、獣医師としての臨床経験も有しています。
そのため、ペットロスに伴うこころの反応を、単なる一般的な不眠や不安としてではなく、動物と暮らした時間の重みも含めてうかがうことを大切にしています。
また、不眠に対しても、最初から過度な投薬に頼るのではなく、今の状態を見ながら必要な範囲で整えていくことを大切にしています。
•夜になるとつらい
•眠れない
•気持ちが落ち着かない
•仕事や家事はできるが、心が追いつかない
そのような方は、つらさが深くなりきる前にご相談ください。
保谷駅前こころのクリニック
