2025年12月09日
「シマウマって、どうしてシマシマなんだろう?」
子どものころ、一度は疑問に思ったことがありませんか。
最近の研究では、このシマシマが生き延びるための工夫として役立っているのではないかと言われています。
黒と白で「温度差」ができる
黒い部分は太陽の光をよく吸収し、白い部分は光を反射しやすい、という性質があります。
その結果、シマウマの体表では、黒い部分:やや温度が高くなりやすい、白い部分:やや温度が低くなりやすいという、細かい温度差が生まれます。
この温度差によって、体の表面近くに小さな空気の流れ(対流)が起こり、「自然の扇風機」のような役割を果たしているのではないか、と考えられています。
暑いサバンナで暮らすシマウマにとって、このシマシマ冷却システムは、体温を上げすぎないための工夫のひとつかもしれません。
体温を守ることは、「生存率」を守ること
高温の環境で体温が上がりすぎると、体力が落ちる、動きが鈍くなる、逃げるスピードが落ちるといった影響が出てきます。
サバンナには、ライオンやハイエナなど、シマウマを狙う肉食動物がたくさんいます。そのため、少しでも長く走れること、少しでも早く動けること、それが、そのまま「生き延びる確率(生存率)」に直結します。
シマウマのシマシマ模様は、体温をうまく逃がす、虫よけや視覚的なカモフラージュの役割も持つ可能性があるといった「いくつものメリット」が重なり合って、結果として生存率を上げてきたのかもしれないと考えられています。
人のこころにも「シマシマ」が必要ではないか
以上の話は、人のこころにも当てはまるところがあると思います。コンクリートジャングルで暮らす私たちの毎日にも、仕事モード、家族モード、ひとりで休むモードといった「白と黒」のような切り替えが本来あっていいはずです。ずっと働きっぱなし、ずっと我慢しっぱなし、ずっといい人でい続けようとすると、こころの中に、熱(ストレス)がこもり続けます。
シマウマのシマシマのように、私たちの生活にも、しっかり頑張る時間(黒い部分)、意識的に休む時間(白い部分)という、「シマシマ」が必要なのかもしれません。
もし、最近、休んでも疲れが抜けない、ずっと気持ちが張りつめている、何をしても楽しく感じられない、そんな状態が続いているなら、あなたの「こころのシマシマ」が、かすれてしまっているサインかもしれません。
シマウマが模様の工夫で生存率を上げてきたように、人もまた、「休む」「話す」「助けを借りる」という
こころの「シマシマ」を意識すること、つまりON、OFFを意識的に作り出すことで、毎日を生き延びる力を少しずつ取り戻していけるのではないかと思います。
保谷駅前こころのクリニックでは、がんばる時間と休む時間の「シマシマ」を、一緒に考えていくお手伝いができればと思っています。
保谷駅前こころのクリニック
