第69話「喪失後に起きる落ち込み──うつ病との違いをどう見分ける?」|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第69話「喪失後に起きる落ち込み──うつ病との違いをどう見分ける?」

第69話「喪失後に起きる落ち込み──うつ病との違いをどう見分ける?」|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2025年12月17日

家族や友人そしてペットのあの子を失うと、こころは、底が抜けたように沈みこんでしまうことがあります。涙が止まらない、何をしても楽しくない、仕事に手がつかないそんなとき、「これは自然な悲しみなのか、うつ病なのか」と不安になる方も少なくありません。

自然な悲しみとしての「落ち込み」

大切な存在を失ったあとの落ち込みは、その人やあの子を大事に思っていた証でもあります。
悲しみは、直線状に軽くなっていくものではなく、波のように揺れもどしながら続くことがあります。
ふとした瞬間に笑えたと思ったら、涙が溢れ出る。そんな揺れ戻りも、珍しいことではありません。これは、悲しみと共に生きていく途中のプロセスと言えます。

うつ病を疑ったほうがよいサイン

他方で、次のような状態がほぼ毎日、2週間以上続き生活に影響が出ている場合は、悲嘆だけではなく、うつ病が重なって存在している可能性があります。

一日中気分が落ち込み、何をしても回復する波がほとんどない
食事・睡眠が大きく崩れた状態が続く(ほとんど食べられない/眠れない、または過眠が続く)
強い自責感・無価値感が止まらない(「自分のせいだ」「自分には価値がない」)
集中力が落ちて仕事や家事が回らない(ミスが増える、動けない)
「消えてしまいたい」「死にたい」気持ちが出る/自分を傷つけたくなる
現実感が薄れる、強い焦燥や制止困難、幻聴など危険度が高い症状がある

ここまでくると、こころのエネルギーが限界に近い状態です。一人で抱え込まず、専門家に相談したほうが安全です。特に、死にたい気持ちがある、自分を傷つけるかもしれない、食欲が全くない場合、早めに医療に繋げてください。迷わず、入院可能な精神科病院に受診してください。

自分でできる、簡単な目安

次の3つを、そっと振り返ってみてください。

①波があるのか、②自責感があるのか、③日常生活に支障はないか

②や③が強く当てはまるときは、自然な悲しみだけでなく、うつ病が隠れている可能性があります。

「受診するほどでは…」と思うときこそ

「この程度で病院に行くのは大げさかな」
「もっとつらい人もいるはず」と、自分を後回しにしてしまう方は少なくありません。

心療内科・メンタルクリニックは、
診断名をつけるだけの場所ではなく、今のこころ状態を、一緒に整理する場所でもあります。
そして、回復の具体的方法(休み方、環境の調整、睡眠調整、内服薬の調整、心理的サポート)を選ぶ場所でもあります。喪失後の悲しみ(グリーフ)や、うつ病かどうかの不安についても、うまく説明できなくても問題ありません。スタッフがゆっくりお話をうかがいます。

「これは喪失に対する悲嘆なのか、うつ病なのか」
迷ったときは、あなた一人で我慢しないでください。

保谷駅前こころのクリニック

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