2025年12月28日
急に胸がドキドキして、息が浅くなって、手が冷たくなる。
「このまま倒れるのでは」「心臓が変なのでは」と思って、頭の中が真っ白になる。
そんな発作を経験すると、次からは発作そのものだけでなく、「また起きたらどうしよう」という不安が日常に入り込んできます。電車、会議、美容院、買い物のレジ。場所や状況が危険に見えてしまう。
これは甘えでも気のせいでもなく、あなたの体が一生懸命にあなたを守ろうとしているサインです。
パニックのドキドキは「危険を知らせる警報」が鳴りっぱなしになる
パニック発作のとき、体は非常モードに切り替わります。
心拍が上がる、息が速くなる、めまいがする、手足がしびれる、吐き気がする、現実感が遠のく——。
怖いのは当然です。けれど多くの場合、これは体が故障したのではなく、警報が過剰に鳴っている状態です。
そして厄介なのは、発作が落ち着いたあとも「また起きるかも」という予期不安が残り、避ける行動が増えるほど、脳は「やっぱり危険だった」と学習してしまう点です。
だからこそ治療のポイントは、あなたを追い込むのではなく、
発作のメカニズムを理解し、避け方のクセをほどき、再発しにくい土台を作ることにあります。
受診で大事なのは「同じドキドキでも、背景が違う」こと
ドキドキの原因はひとつではありません。パニック発作が疑われる場合でも、症状の形によっては、甲状腺・貧血・不整脈・低血糖・睡眠不足・カフェイン・心疾患・脱水・ホルモン変化・薬の影響など、別の要因が重なっていることもあります。
また、うつ・不安症・PTSD・自律神経の乱れ・更年期などが同時に関係していることもあります。
治療は「診断名を当てるゲーム」ではなく、あなたのドキドキがどういう場面で、どんな順番で、何が引き金になっているかを丁寧にたどるところから始まります。
問診に書いてほしいのは、あなたの発作の地図です
診察室で言葉にしようとしても、発作の怖さはうまく説明できないことが多いものです。
だから当院では、事前のWEB問診をおすすめしています。
問診があると、私たちは次のような情報を、落ち着いて整理したうえで診察に臨めます。
初めての発作はいつ頃、何をしている時だったか
発作のピークは何分くらいか/頻度はどれくらいか
体の症状(動悸、息苦しさ、めまい、吐き気、しびれ等)の順番
「倒れるかも」「気が変になるかも」など、その時いちばん怖い考え
避けている場所(電車・高速・会議室・人混み・一人での外出など)
睡眠、カフェイン、飲酒、月経周期
これまでの検査歴や内服歴で効いたこと/効かなかったこと
この地図があるだけで、診察はぐっと具体的になります。
あなたの体を責めるのではなく、いま起きている反応をほどくための作戦を一緒に立てやすくなるからです。
治療は「発作をゼロにする」だけではなく、「生活を取り戻す」こと
治療では、状態に応じて
発作への理解(起きていることを言葉にする)
呼吸や身体反応への対処(過換気や緊張の扱い方)
認知行動療法的なアプローチ(予期不安・回避の連鎖をほどく)
必要に応じたお薬の調整(不安の土台を下げる/発作の頻度を下げる)
などを組み合わせます。
目標は「怖さを我慢できる人になる」ことではありません。
ドキドキがあっても、あなたの生活が小さくならないようにすること。
そして、できれば「発作が起きても戻ってこられる感覚」を取り戻すことです。
もし今、あなたが「次が怖い」と感じているなら
それは、あなたが弱いからではなく、あなたの中の警報装置が敏感になっているだけかもしれません。
一人で抱えるほど、症状はあなたの世界を狭くします。
当院では、パニック障害・強い不安・動悸にお悩みの方のご相談を受け付けています。
WEB問診に、いまの困りごとをそのまま書いてください。
うまくまとまっていなくても大丈夫です。言葉の断片からでも、丁寧に拾っていきます。
あなたの呼吸が、もう一度あなたのものに戻るように。
その一歩を、ここから一緒に整えていきましょう。
保谷駅前こころのクリニック
