2026年2月09日
「発作は、前より減っています」
診察室で、その方はそう話しました。
「では、電車はどうですか」
「各駅停車なら乗れます。でも急行は無理です」
「会議は?」
「必ず出口の近くに座ります」
「一人で遠出は?」
「それはまだ怖いです」
発作は減っている。
けれど、生活は発作が起きないように組み立てられたままです。
パニック障害の治療では、発作の回数だけを見ると、回復の途中を見落とすことがあります。
治療で考える三つの部分
薬で整える部分。
考え方や行動を整える部分。
環境調整を考える部分。
薬で整える
発作が繰り返される、予期不安が強い、電車や外出を避けている場合などに薬物療法を検討します。
SSRIなどの抗うつ薬や、状況によって頓服薬を使うことがあります。薬によって役割や注意点が異なるため、治療歴、仕事、運転、妊娠の可能性、他の服薬などを確認します。
考え方や行動を整える
パニック発作を経験すると、少し脈が速い、息が浅いといった身体変化を危険のサインとして捉えやすくなります。
状態が整ってきたら、避けていた行動を現実的な範囲で戻します。いきなり最も混雑した急行へ乗る必要はありません。
環境を整える
睡眠不足、長時間労働、混雑した通勤、休憩を取れない勤務、強いカフェイン摂取などが症状へ影響することがあります。
勤務時刻、在宅勤務、休憩、休養の必要性なども含めて考えます。
治療の目標は、発作のない一日ではありません。発作のことを考えずに予定を立てられる一日です。
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保谷駅前こころのクリニックは、完全予約制の小規模な心療内科・精神科クリニックです。診療枠と初診受入人数には限りがあります。
長時間の傾聴だけを目的とする外来ではありません。事前のWEB問診をもとに、限られた診察時間で症状、生活への影響、治療歴を整理し、薬物療法を含む現実的な治療を検討します。
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