第193話 ペットがいない家へ帰りたくない――仕事帰りの寄り道が長くなっている方へ【東京・保谷駅前こころのクリニック】|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第193話 ペットがいない家へ帰りたくない――仕事帰りの寄り道が長くなっている方へ【東京・保谷駅前こころのクリニック】

第193話 ペットがいない家へ帰りたくない――仕事帰りの寄り道が長くなっている方へ【東京・保谷駅前こころのクリニック】|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年2月20日

最寄り駅には着いています。

家まで十分もかかりません。

けれど、改札を出たあと、いつもの道へ曲がれない。

コンビニへ入る。
必要のない棚を眺める。
コーヒーを買う。

店を出ても、まだ帰りたくない。

家のドアを開けた瞬間、

「あの子がいない」

という現実が待っているからです。

外では、不在が少しだけ見えにくい

職場には人がいる。
電車には音がある。
店には音楽が流れている。

外にいる間も悲しい。
それでも、目の前の刺激が心を支えてくれます。

家へ帰ると、音が止まります。

出迎える足音がない。
いつもの場所が空いている。
「ただいま」と言っても反応がない。

昼間保てていたものが、玄関で崩れます。

帰宅は、一日一回の再会だった

ペットと暮らしていた頃、帰宅は単なる移動の終点ではありませんでした。

扉の向こうで待っている。
名前を呼ぶ。
顔を見る。

一日離れていた相手と、毎晩もう一度会う時間でした。

亡くなったあと、帰宅という行動だけが残り、再会がなくなります。

家に帰るのが怖いのは、家が嫌いになったからではありません。帰るたびにあった再会だけが、なくなったからです。

寄り道は、心が時間を稼いでいる

まっすぐ帰らない自分を、逃げていると責める必要はありません。

心が、現実に触れるまでの時間を少し延ばしています。

ただ、毎晩遅くまで帰れず、食事や睡眠が崩れているなら、帰宅の衝撃を小さくする工夫が必要です。

家へ入ったら、まず灯りをつける。
音楽やラジオを流す。
玄関で短く名前を呼ぶ。
すぐにすべての部屋を見回さない。

帰宅直後に何もできなくなるなら、食事を作ることまで求めない。

家に入るという一つの行動だけで、その日は十分なこともあります。

いつか寄り道が短くなっても、忘れたわけではありません。

その家が、「いないことを確認する場所」から、「一緒に暮らした場所」へ少しずつ戻ってきたということです。

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