2026年9月12日
子どもに絵本を読んでいる途中で、胸がドキドキし始める。
声は出せる。笑顔もつくれる。
けれど、頭の片隅では「今、具合が悪くなったら、誰に代わってもらおう」と考えている。
ほかの先生も手が離せそうにない。
ひとまず最後のページまで読もうと、気づかれないように続ける。
保育士として、今日も一日働けた。
でも、自分の中には、動悸をこらえていた時間が残っている。
仕事中にしんどくなる。不安が強く、休職したいと思う。
それでも担任や人員配置が気になって、言い出せない。
そんなとき、受診のために「もう働けない」と言い切る必要はありません。まず、保育中に何が起きているのかを伝えるところからで大丈夫です。
保育中の不安を強くする「今は交代を頼めない」
保育園の先生は、体調が悪くなっても、自分の判断だけですぐに仕事を止められるとは限りません。
食事の介助、園庭での見守り、午睡中の確認。
少し休みたくても、子どもを見てもらう相手が決まるまで、持ち場を離れにくい場面があります。
そこに、職員同士の気遣い、保護者対応、記録や行事の準備が重なる。仕事のストレスを感じても、自分の体調について話すタイミングが見つからない日もあるでしょう。
「また動悸がしたら困る」
「今日は交代を頼める人がいない」
以前つらくなった場面を思い出し、担当に入る前から身体が緊張することもあります。
診療上、大切なのは、症状の強さと、その場で休める余地の両方です。同じ動悸でも、すぐに交代できる場合と、症状をこらえて保育を続ける場合では、必要な対応が変わります。
保育中の不安が、休日にも続いていませんか
保育中だけでなく、休日の人混みやスーパーのレジ、美容院、歯医者、電車でも動悸や不安が出ることはありませんか。
「具合が悪くなったとき、すぐには離れにくい」という感覚が、保育中と共通している場合があります。
受診では、仕事から離れると楽になるのか、休日にも症状が出るのかを伝えてください。仕事の負担だけでは説明できない不安がある場合は、休養に加えて、その不安への治療も考えます。
「何とか保育できた」の中身を伝えてください
同じ「働けています」でも、普段どおりに過ごせたのか、動悸が治まるのを待ちながら一日を終えたのかでは、状態が違います。
受診では、次のことを伝えてください。
・動悸や息苦しさが、いつ、どのくらい続くのか
・保育を中断したり、交代を頼んだりしたことがあるか
・翌日の勤務が気になって眠れない日があるか
・休日にも不安が続き、外出を控えているか
症状が始まった頃に、担当や勤務時間、職場環境が変わっていれば、そのことも伝えてください。
「休憩を取るように言われているけれど、実際には取れていない」
その一言も、勤務を続けられる状態かを考えるうえで大切です。
なお、動悸には不整脈、甲状腺の病気、貧血などが関係する場合もあります。ストレスと決めつけず、必要に応じて内科的な確認を行います。強い胸痛や失神を伴うときは、通常の予約を待たず、速やかに救急受診してください。
保育士が休職を考えたら|年度途中でも相談できます
「行事が終わるまでは」
「年度末までは担任を続けたい」
「人が増えたら休めるかもしれない」
休む時期を考えるたびに、園の予定が先に浮かんでくるかもしれません。
しかし、人手が足りないことは、自分の体調が持つことの証明にはなりません。
休養の必要性は、年度の区切りだけでは判断できません。症状の頻度、睡眠、保育への支障、業務や勤務時間を調整できるかを踏まえて考えます。
負担を減らし、治療を受けながら勤務できる場合もあります。一方、調整だけでは十分に休めず、一定期間仕事から離れる必要がある場合もあります。
「休職したい」と思っていることも、そのまま伝えてください。診察のうえで医学的に休養が必要と判断した場合には、休職の診断書を検討します。休養期間も、症状と勤務内容を踏まえて判断します。
園への申し出前でも、症状や休養の必要性について相談できます。人員配置の問題を解決してからでなければ、自分の体調を相談できないわけではありません。
動悸・不安の治療では、保育中の眠気にも目を向けます
不安や動悸が繰り返される場合には、診断や症状に応じて薬物療法などを検討します。
子どもを見守り、抱き上げ、周囲の変化に対応する仕事では、薬による眠気やふらつきが勤務に影響しないかも大切です。
勤務時間や担当業務を踏まえて薬を選び、開始後の反応を確認しながら調整します。
治療の目標は、保育中も、仕事を離れた時間も、安心して過ごせる状態を取り戻していくことです。症状が少し和らいだあとも、眠れているか、無理な負担が続いていないかを確認していきます。
保谷で、保育士の動悸・不安・休職のご相談を
保谷駅前こころのクリニックは、保谷駅北口すぐ、いなげや保谷駅前店2階の心療内科・精神科です。日曜も診療しています。
当院は完全予約制です。WEB問診を医師が確認し、当院で対応可能と判断した方にWEB予約をご案内します。
WEB問診には、仕事中にどんな症状が出るのか、いつ頃から続いているのか、休職を考えているかどうかをお書きください。
園では言い出せなかったつらさも、ここでは小さく伝える必要はありません。
保谷駅前こころのクリニック
