第213話 西武池袋線で朝だけ動悸が出る方へ|電車のドアが閉まると息苦しくなるとき|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第213話 西武池袋線で朝だけ動悸が出る方へ|電車のドアが閉まると息苦しくなるとき

第213話 西武池袋線で朝だけ動悸が出る方へ|電車のドアが閉まると息苦しくなるとき|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年3月03日

西武池袋線の朝の電車で、動悸や息苦しさが起こる。

ホームにいる間は、まだ大丈夫です。電車にも乗れる。

ところが、ドアが閉まった瞬間に胸がドクンと鳴る。

発車すると心拍がさらに速くなり、息を吸っているはずなのに、十分に入ってこないような感じがする。手のひらに汗をかき、目の前が少し遠くなったように感じる。

そして頭に浮かびます。

「次の駅まで降りられない」

「ここで倒れたらどうしよう」

周囲の乗客はスマートフォンを見ています。いつもと変わらない朝です。

自分にだけ、何かが起きているように感じます。

次の駅へ着く。ドアが開く。

降りようか迷っているうちに、またドアが閉まる。

その音で、もう一度不安が強くなる。

ところが会社へ着くころには、少しずつ落ち着いている。帰りの電車は普通に乗れることもある。

それでも夜になると、

「明日の朝も起きたらどうしよう」

と考え始める。

発作は朝に終わっているのに、翌朝の不安だけが前日の夜から始まっている。

診察室では、こうした話を聞くことがあります。

ドアが閉まる音が「発車の合図」ではなくなっている

「ホームでは大丈夫なんです」

「乗るところまでも大丈夫です」

「でも、ドアが閉まった瞬間に心臓が速くなります」

こう話される方がいます。

ここは、とても大切な情報です。

電車そのものが怖いのであれば、駅に着いた時点から強い不安が出ても不思議ではありません。

ところが、

ホームでは平気。

乗車もできる。

ドアが閉まった瞬間から苦しくなる。

この場合、怖さの中心にあるのは電車そのものではなく、

「もう、すぐには降りられない」

という感覚かもしれません。

私は診察室で、このような状態を考えるとき、

「ドアが閉まる音が、発車の合図ではなく、逃げ道が消える合図になっていませんか」

と確認することがあります。

電車のドアは、毎日同じように閉まります。

でも、一度強い動悸や息苦しさを経験すると、その音に別の意味がつくことがあります。

昨日までは、

「出発します」

という音だった。

それが、

「もう降りられません」

という音に聞こえるようになる。

身体は、音そのものだけではなく、その音についた意味にも反応します。

「朝だけ」という情報は、かなり重要です

診察では、

「電車で動悸がします」

だけではなく、

「朝だけです」

という部分を大切にします。

同じ西武池袋線なのに、帰りは平気。

これは矛盾ではありません。

朝と帰りでは、同じ電車に乗っていても条件が違うからです。

朝は、眠っていた身体が活動状態へ切り替わる時間です。

そこへ、睡眠不足、朝食を取っていないこと、コーヒー、駅まで急いだこと、寝坊、仕事への緊張などが重なると、普段より心拍や呼吸の変化を意識しやすくなることがあります。

しかし、身体の朝の変化だけではありません。

朝には、もう一つ大きな条件があります。

「遅刻できない」

ということです。

朝の電車には「時間の逃げ道」も少ない

帰りの電車で苦しくなったら、一度降りてもよい。

ホームで少し休んでもよい。

一本見送っても、朝ほど大きな問題にはならない。

でも、朝は違います。

途中で降りたら遅刻する。

一本見送ったら会社に間に合わない。

朝から会議がある。

人を待たせている。

簡単には休めない。

つまり朝の電車では、身体的には「降りればよい」と分かっていても、社会的には「降りられない」と感じることがあります。

私はこれを、

「朝は、電車の逃げ道だけでなく、時間の逃げ道も少ない」

と考えています。

これは、帰りの電車との大きな違いです。

朝だけ症状が出る方では、電車からすぐに降りられないことだけでなく、

「ここで降りたら遅刻する」

「今は止まれない」

という時間の圧力まで重なっていないかを見ます。

最初の動悸より、その動悸をどう受け取ったかが大きくなることがあります

電車が発車する。

心拍が少し上がる。

それ自体は、誰にでも起こり得ます。

ところが、

「あ、始まった」

と思う。

「また昨日と同じだ」

「もっと速くなるかもしれない」

「息ができなくなるかもしれない」

と考える。

すると、身体にさらに注意が向きます。

心拍を確認する。

呼吸を確認する。

胸の違和感を確認する。

こうして、身体を監視する時間が始まります。

最初の心拍上昇は小さかったかもしれません。

しかし、

「これは危険な発作の始まりだ」

という意味が加わることで、不安がさらに大きくなることがあります。

つまり、

「動悸があるから怖い」

だけではありません。

「怖い動悸だと思ったから、さらに動悸が気になる」

という循環が起こることがあります。

検査で異常がない。それでも、苦しい

動悸が続き、内科や循環器内科を受診する方もいます。

心電図や血液検査、場合によってはホルター心電図などを受ける。

大きな異常は見つからなかった。

それでも翌朝、西武池袋線に乗るとまた苦しくなる。

そこで、

「結局、気のせいなんでしょうか」

と聞かれることがあります。

そうではありません。

不安が強くなれば、自律神経の働きによって心拍は実際に速くなります。呼吸が変化し、発汗、吐き気、めまい、手足のしびれなどが加わることもあります。

検査で大きな異常が見つからなかったことと、本人が苦しくなかったことは、同じ意味ではありません。

ただし、ここは慎重に考える必要があります。

初めて経験する激しい動悸、これまでにない強い胸痛、失神、冷汗、強い呼吸困難、運動中にも繰り返し起こる症状などがある場合には、最初からパニック発作と決めつけず、身体的な病気を確認することが大切です。

必要な身体的評価を受けたうえで、

「朝の電車」

「ドアが閉まる」

「途中で降りられない」

といった特定の状況で症状が繰り返される場合に、パニック発作や予期不安について考えていきます。

息を吸おうと頑張りすぎると、かえって苦しくなることがあります

車内で息苦しくなると、

「もっと息を吸わなければ」

と思います。

大きく吸う。

もう一度吸う。

それでも足りないように感じて、さらに吸う。

ところが、すでに呼吸が速くなっている状態では、大きな呼吸を繰り返すことで、かえってめまいや手足のしびれが強くなることがあります。

そのため、

「たくさん吸う」

よりも、

まずゆっくり吐くことを意識する方が合う場合があります。

ただし、ここでも注意があります。

「この呼吸法を完璧にできなければ電車に乗れない」

となってしまうと、今度は呼吸法そのものが新しい条件になります。

対処法は試験ではありません。

私は、

「発作を完全に止める技術を身につける」

ことだけを目標にはしません。

むしろ、

「症状が出た瞬間に、すぐ最悪の結論を出さない」

ことの方が大切な場合があります。

朝の不安は、朝に始まっていないことがあります

「朝だけ動悸がします」

という方に、

「前日の夜はどうですか」

と聞くことがあります。

すると、

「寝る前から、明日の電車のことを考えています」

という答えが返ってくることがあります。

朝の電車が怖い。

だから前日の夜から考える。

眠りが浅くなる。

朝起きると寝不足。

心拍が気になる。

駅まで急ぐ。

そして電車に乗る。

この場合、症状は朝に出ていますが、不安は前日の夜から始まっています。

私はこれを、

「朝の発作には、前日の夜から予告編が流れていることがあります」

と説明することがあります。

翌朝の発作を避けようとして、前日の夜から警戒する。

その警戒によって眠りが悪くなり、翌朝さらに身体感覚を強く意識する。

こうした循環ができている場合があります。

ここを見落とすと、

「電車に乗った瞬間だけの問題」

として考えてしまいます。

実際には、睡眠、仕事のストレス、朝の時間設定まで含めて見た方がよいことがあります。

「まだ乗れている」は、受診しなくてよい理由にはなりません

毎朝つらい。

でも、会社には行けている。

だから、

「心療内科へ行くほどではない」

と思っている方もいます。

もちろん、電車に乗れていること自体は大切です。

ただ、診察ではもう一つ見ます。

以前と比べて、電車に乗るための条件が増えていないか。

朝30分早く家を出るようになった。

混雑した電車を何本も見送るようになった。

必ずドアの近くに立つ。

途中下車する駅を事前に決めている。

前日の夜から翌朝の電車を考えて眠れない。

会社へ行くことだけで、朝のエネルギーをほとんど使い切ってしまう。

本人は、まだ出勤できています。

でも、

出勤するために払っている代償が、以前より大きくなっている。

ここは重要です。

私が診察で見るのは、

「まだ電車に乗れているか」

だけではありません。

「以前と同じように乗れているか」

です。

この二つは、同じではありません。

完全に乗れなくなるまで待つ必要はありません。

「まだ仕事には行けている。でも、以前とは違う」

という段階でも、今起きていることを一度整理する意味があります。

薬を使うか、我慢するか、の二択ではありません

「薬を飲み始めると、薬がないと電車に乗れなくなりませんか」

と聞かれることがあります。

パニック症状に使われる薬にはいくつか種類があり、作用の仕方や注意点も異なります。

すべての方に薬が必要なわけではありません。

逆に、症状の程度によっては薬物療法を検討した方がよい場合もあります。

大切なのは、

「発作が出たら薬で消す」

だけで考えないことです。

朝だけなのか。

帰りはどうなのか。

前日の夜から不安があるのか。

途中下車が増えているのか。

仕事へ行くこと自体が負担になっていないか。

睡眠はどうか。

こうした生活全体を見たうえで治療を考えます。

「薬を使うか、我慢するか」

ではありません。

「今の生活をなるべく壊さずに、どう戻していくか」

を考えます。

「我慢できるか」ではなく、「以前と同じように生活できているか」

西武池袋線には、まだ乗れている。

会社にも、まだ行けている。

だから、

「まだ大丈夫」

と思う。

でも、朝の電車に乗るためだけに、

前日の夜から心配する。

睡眠を削る。

30分早く家を出る。

何本も電車を見送る。

途中下車する場所を決める。

一日分の気力を、朝の通勤だけでかなり使ってしまう。

そうなっているのであれば、見てほしいのは、

「我慢できるか」

ではありません。

「以前と同じように生活できているか」です。

症状が完全に悪化してからでなければ、相談できないわけではありません。

今の仕事や生活をなるべく維持したまま、これ以上通勤の条件や不安が増えないように整理することも、受診の目的になります。

まだ通勤できている方へ

保谷駅周辺、西武池袋線沿線で、

「朝だけ動悸がする」

「帰りは普通に乗れるのに、朝だけ電車が怖い」

「ドアが閉まった瞬間に息苦しくなる」

「途中下車すると少し楽になる」

「前日の夜から翌朝の電車を考えるようになった」

という方は、今起きている変化をそのままWEB問診に書いてください。

自分で「パニック障害だと思います」と診断名を決める必要はありません。

診察では、

どの瞬間から症状が始まるのか。

朝と帰りで何が違うのか。

途中で降りるとどうなるのか。

以前と比べて通勤の仕方がどう変わったのか。

睡眠や仕事にどの程度影響しているのか。

そうした具体的な変化が手がかりになります。

たとえば、

「朝だけです」

「ドアが閉まった瞬間に始まります」

「帰りの電車は大丈夫です」

「途中で降りると数分で落ち着きます」

「最近、電車を何本か見送るようになりました」

「以前より30分早く家を出ています」

「前日の夜から翌朝の電車が気になり、眠れないことがあります」

「内科では心電図に大きな異常はないと言われました」

などです。

「まだ通勤はできている。でも、以前とは違う」

その段階からで構いません。

完全に電車へ乗れなくなるまで待つ必要はありません。

朝の電車を、毎日の最初の試練にしないために。

今の仕事や生活をなるべく保ちながら、できるところから整えていきます。

初診をご希望の方へ

当院は完全予約制です。

ご記入いただいたWEB問診をもとに、医師が内容を確認し、当院でお力になれると判断した場合に、WEB予約をご案内します。

WEB問診を書けば、必ず予約できるという仕組みではありません。

予約枠が限られている中で、小規模クリニックのため、診療体制上、すべてのご相談をお引き受けできるわけではありません。

保谷駅前こころのクリニックは、西武池袋線・保谷駅北口、いなげや保谷駅前店2階にあります。

電車そのものが不安になっている方にとって、受診先まで何駅も乗り続けること自体が負担になることがあります。

「まだ会社には行けている」

「でも、朝の電車だけは以前と違う」

その変化がある方は、現在の症状や通勤の様子をWEB問診からお知らせください。

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