2026年6月05日
日曜日の昼間は、それなりに過ごせていた。
買い物にも行った。
洗濯もした。
昼食も普通に食べた。
ところが夕方になる。
明日の予定を思い出す。
会社の鞄が目に入る。
スマートフォンのカレンダーを見る。
そのあたりから、身体の感じが変わってくる。
胸がざわつく。
胃が重くなる。
深く息を吸いたくなる。
「明日、会社か」
そう思っただけなのに、身体が緊張してくる。
そして月曜日の朝。
目が覚めた瞬間から動悸がする。
吐き気がする。
着替えようとすると涙が出る。
玄関まで行ったのに、ドアを開けられない。
診察室でこうした話を聞くとき、私は月曜日の朝だけを見ません。
「その症状は、本当に月曜日の朝から始まったのでしょうか」
と考えます。
実際には、
月曜朝の症状が、日曜日の夕方から始まっていることがあります。
身体には「月曜0時」という区切りがありません
カレンダーでは、
日曜日が終わり、午前0時になれば月曜日です。
しかし身体は、時計を見て月曜日を始めるわけではありません。
「明日は仕事だ」
と認識したところから、少しずつ緊張が始まる人がいます。
日曜日の17時。
夕食後。
入浴中。
布団に入ったとき。
人によって違います。
まだ会社にはいない。
上司にも会っていない。
仕事も始まっていない。
それなのに身体は、
「明日は仕事だ」
という予定に対して先に反応している。
私はこれを、
「身体の始業時刻が、会社の始業時刻より早くなっている」
と見ることがあります。
月曜朝の動悸は、朝だけの問題ではないことがあります
「月曜日の朝だけ動悸がします」
と聞くと、朝の症状だけを考えたくなります。
しかし詳しく聞いてみると、
日曜日の夕方から気分が重い。
夜になると仕事のことを考える。
寝つきが悪い。
何度も時計を見る。
十分に眠れない。
そして朝になる。
そういう流れになっていることがあります。
つまり、
月曜日の朝に突然0から症状が始まったのではなく、
日曜日の夜から続いていた緊張が、月曜朝に身体症状としてはっきり見えている。
そう考えた方が分かりやすい場合があります。
「月曜朝の症状は、月曜朝に始まっていない」
ここは診察で確認したいところです。
会社に着くと少し楽になるのは、矛盾ではありません
不思議に感じる方もいます。
家を出る前はあれほど苦しかった。
電車でも動悸がした。
駅から会社まで歩くのもつらかった。
ところが職場に着いて、席に座る。
パソコンを開く。
仕事が始まる。
すると少し落ち着いてくる。
そのため、
「結局、行けば大丈夫なんです」
「自分が甘えているだけでしょうか」
と話す方がいます。
私は、そう単純には考えません。
出勤前には、
行けるだろうか。
遅刻しないだろうか。
今日何が起きるだろうか。
仕事をこなせるだろうか。
という「まだ決まっていない時間」があります。
会社に着けば、
少なくとも「出勤できるかどうか」という問題は終わります。
目の前の作業も始まります。
だから、不安が少し下がる人がいても不思議ではありません。
大切なのは、
「会社に着いたら落ち着いた」
ことを理由に、
出勤前に毎週起きている動悸や吐き気、涙を無かったことにしないことです。
行けば何とかなることと、
毎週そこまで身体を緊張させてよいことは、同じではありません。
私は「何時から仕事が怖くなりますか」と聞くことがあります
「月曜日が怖い」
だけでは、まだ分からないことがあります。
日曜日の朝からなのか。
夕方からなのか。
夕食後なのか。
布団に入ってからなのか。
月曜朝、目が覚めてからなのか。
私は、この「始まる時刻」を気にします。
なぜなら、
症状が出た時刻は、
身体が仕事を「脅威として意識し始めた時刻」と重なることがあるからです。
会社の始業時刻が9時でも、
その人の身体の中では、
日曜日の18時から次の勤務が始まっている。
そうなると、月曜日の9時までにすでに長い時間を緊張して過ごしています。
月曜日の勤務が始まる前から疲れているのも、無理はありません。
「月曜日だけつらい」から始まることがあります
最初は月曜日だけだった。
月曜朝だけ動悸がした。
火曜日になれば少し楽だった。
ところが、その状態を繰り返しているうちに、
日曜日の夜から眠れなくなる。
火曜日の朝も少しつらくなる。
仕事中も身体が緊張する。
帰宅しても回復しない。
休日にも仕事を考える。
というように、つらい時間が広がってくる人もいます。
だから診察では、
「月曜だけだから大丈夫」
ではなく、
以前と比べて、つらい時間が広がっていないかを確認します。
症状の強さだけでなく、
「一週間の中で、不調に占領される時間が増えていないか」
を見ることも大切です。
「休職するか」を決めてから受診する必要はありません
月曜朝につらくなる方の中には、
「でも休職までは考えていません」
と言う方もいます。
それで構いません。
心療内科を受診することと、休職を決めることは同じではありません。
睡眠がどうなっているか。
動悸や吐き気がどの程度なのか。
月曜以外にも症状が広がっているか。
仕事に集中できているか。
帰宅後や休日に回復できているか。
現在の働き方を続けることが現実的なのか。
そうしたことを確認してから考えます。
「働くか、休むか」の結論を先に持ってくる必要はありません。
まず、
今、自分の身体が仕事に対してどのくらい緊張するようになっているのか。
そこを知ることから始めてもよいのです。
WEB問診には、月曜日の朝だけでなく「日曜の何時から変わるか」を書いてください
例えば、
「月曜日の朝になると動悸と吐き気があります」
だけでも情報になります。
さらに、
「日曜日の18時ごろから翌日の仕事を考えて気分が重くなります。夜も寝つきにくく、月曜日は目が覚めた瞬間から動悸がします。会社に着くと少し落ち着きます」
ここまで分かると、一週間の中で症状がどう動いているのかが見えやすくなります。
当院は完全予約制です。
ご記入いただいたWEB問診をもとに、医師が内容を確認し、当院でお力になれると判断した場合に、WEB予約をご案内します。
予約枠が限られる小規模クリニックのため、すべてのご相談をお引き受けできるわけではありません。
月曜日の朝がつらい方は、
「月曜日」からではなく、
「日曜日の何時ごろから身体が変わるのか」
そこからWEB問診に書いてみてください。
保谷駅前こころのクリニック
