第481話 タバコに含まれるニコチンは脳の神経に作用する物質(神経伝達物質)。|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第481話 タバコに含まれるニコチンは脳の神経に作用する物質(神経伝達物質)。

第481話 タバコに含まれるニコチンは脳の神経に作用する物質(神経伝達物質)。|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年6月27日

望まない受動喫煙を断ってよい理由

タバコというと、
「においが気になる」
「マナーが悪い」

「くさい」
と考えられることがあります。

しかし、医学的には、それだけの話ではありません。

ニコチンは、薬理学的には神経に作用する物質です。

つまり、タバコの煙は、単なる「におい」ではありません。
脳や神経の働きに影響を与える物質を含んでいます。

そして、その影響は、タバコを吸っている本人だけに限られるものではありません。

ニコチンは、脳の神経伝達に敏感に作用します

私たちの脳では、さまざまな神経伝達物質が働いています。

気分。
集中力。
覚醒。
緊張。
不安。
快感。
依存。

これらは、脳の神経伝達の影響を受けています。

ニコチンはごく微量でも、ニコチン性アセチルコリン受容体に作用し、脳内の神経伝達に影響を及ぼします。

その結果、
一時的に覚醒したように感じる。
気分が変化する。
落ち着いたように感じる。
また吸いたくなる。

こうした変化が起こることがあります。

つまりニコチンは、単なる嗜好品の成分ではなく、神経に作用する薬理活性をもつ物質です。

だからこそ、ニコチンには依存が生じることがあります。

「吸いたい」
「やめたいのにやめられない」
「吸わないと落ち着かない」

そして、「気持ちが落ち着くからタバコを吸うんだ」という本末転倒な考え方も飛び出してきてしまう場合さえあります。

その背景には、意思の弱さだけではなく、ニコチンが脳の神経伝達に作用するという薬理学的な仕組みがあります。

受動喫煙とは何か

受動喫煙とは、自分ではタバコを吸っていないにもかかわらず、他人のタバコの煙や、タバコ由来の成分にさらされてしまうことです。

タバコを吸っている人が吐き出す煙。
タバコの先から出る煙。
喫煙場所の周囲に流れてくる煙。

こうした煙を吸い込んでしまうことがあります。

このように、実際に煙を吸い込んでしまう受動喫煙は、2次喫煙と呼ばれることもあります。

しかし、受動喫煙の問題は、目に見える煙だけではありません。

タバコの煙に含まれるニコチンや化学物質は、衣類、髪の毛、カーテン、ソファ、壁、寝具、車のシートなどに付着し、残ることがあります。

いったん染み込んだタバコ由来の成分は、煙が消えたあとも、においとして感じられたり、空気中に再びただよったり、触れた手や皮膚を通じて接触したりすることがあります。

つまり、
「今、目の前で吸っていない」
「煙はもう見えない」
という状態でも、タバコ由来の成分にさらされることがあります。

このような残留したタバコ成分への暴露は、3次喫煙、またはサードハンド・スモークと呼ばれます。

自分で吸っていなくても、煙や残留した成分に含まれる物質を体内に取り込む可能性があるのです。

その中には、ニコチンも含まれます。

量は喫煙者本人より少ないとしても、
望まない形で神経に作用する物質へ暴露されることになります。

小さなお子さんや妊婦さんだけでなく、
喘息のある方、
心臓病のある方、
精神的な不調を抱えている方では、
より注意が必要になることがあります。

「少し煙を吸っただけ」
「においがしただけ」
と思われる場面でも、人によっては、体調に影響が出ることがあります。

頭痛がする。
息苦しくなる。
動悸がする。
気分が悪くなる。
だるくなる。
不安感が強くなる。
その場にいるだけで、ぐったりしてしまう。

そのような反応が出る方もいます。

3次喫煙という問題もあります

タバコの問題は、目に見える煙だけではありません。

タバコを吸い終わったあとも、ニコチンやタバコ由来の化学物質が、周囲に残ることがあります。

衣類。
髪の毛。
カーテン。
ソファ。
車のシート。
部屋の壁紙。

こうした場所に、タバコ由来の成分が付着して残ることがあります。

このような残留したタバコ成分への暴露は、3次喫煙、またはサードハンド・スモークと呼ばれます。

「今は吸っていないから大丈夫」
「煙はもう消えているから問題ない」
とは限らない場合があります。

タバコのにおいが服や髪に残る。
喫煙後の部屋に入ると気分が悪くなる。
車内に残ったにおいで頭痛がする。
壁紙のにおいで落ち着かない。

こうした経験がある方にとって、3次喫煙は無視できない問題になることがあります。

特に、においに敏感な方、体調を崩しやすい方、呼吸器症状がある方、不安や不眠が強い方では、生活上のストレスになりやすいことがあります。

「マナー」の問題ではなく、「健康」の問題です

受動喫煙は、単に「マナーがよいか悪いか」という話ではありません。

もちろん、周囲への配慮は大切です。
しかし、それだけでは不十分です。

ニコチンは神経に作用する物質であり、タバコの煙には健康へ影響しうる成分が含まれています。

だからこそ、望まない受動喫煙を避けたいと感じることは、神経質なことではありません。

「マナー」の問題ではなく、「健康」の問題です。

厚生労働省は、健康増進法の改正により、望まない受動喫煙を防止するための取り組みは「マナー」から「ルール」へ変わったと説明しています。

これは、受動喫煙防止が、単なる気づかいやお願いではなく、健康を守るための社会的なルールとして位置づけられていることを意味します。

また、受動喫煙には、煙を直接吸い込む2次喫煙だけでなく、3次喫煙という問題もあります。

3次喫煙とは、タバコを消したあとも、毛髪、衣類、部屋、車内などに残ったニコチンや化学物質にさらされることをいいます。

つまり、
「今、目の前で吸っていないから大丈夫」
「煙が見えないから問題ない」
とは限らない場合がかなりあります。

受動喫煙防止は、誰かを責めるためのものではありません。

吸う人と吸わない人が、同じ空間で無理に我慢し続けるためのものでもありません。

望まない受動喫煙を減らし、健康を守るための考え方です。

望まない暴露は、拒否してよいものです

薬は、本来、本人の同意のもとで使われるものです。

ところが受動喫煙では、本人が望んでいないにもかかわらず、煙に含まれる成分にさらされることがあります。

これは、本人にとって望まない暴露です。

だから、
「煙が苦しいです」
「喫煙者からは距離をとりたいので、こちらに来ないでください」
「喫煙者がいないところで過ごしたいです」
「タバコのにおいで体調が悪くなるので、距離を取りたいです」
と伝えることは、わがままではありません。

自分の体調を守るための、自然な行動です。

タバコの煙やにおいで、メンタルや身体が強く反応することがあります

タバコの煙やにおいをきっかけに、体調が大きく崩れる方がいます。

たとえば、次のような状態です。

職場でタバコのにおいがすると、動悸がする。
喫煙所の近くを通るだけで、息苦しくなる。
家族の喫煙で、気分が悪くなる。
タバコのにおいが服や髪につくと、気持ちが落ち着かない。
喫煙後の部屋や車に入るだけで、頭痛がする。
煙のある場所に行く前から、不安になる。
その場を離れたあとも、頭痛やだるさが続く。
夜になっても緊張が抜けず、眠れなくなる。

また、タバコの煙やにおいによる不快感、動悸、息苦しさ、不安、緊張が続くことで、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。

特に、自宅や職場など避けにくい場所で受動喫煙や3次喫煙が続いている場合、睡眠に影響することがあります。

このような状態が続くと、
「自分が気にしすぎなのでは」
「神経質だと思われるのでは」
「指摘するときれられてしまうため我慢した方が良いのでは」
と、自分を責めてしまうことがあります。

しかし、体調が崩れているなら、我慢だけで済ませる必要はありません。

受動喫煙そのものではなく、出ている症状を整理することが大切です

心療内科・精神科で相談する場合、
受動喫煙を治すというよりも、
受動喫煙やタバコ臭をきっかけに出ているメンタル症状を整理します。

たとえば、

動悸。
息苦しさ。
不安感。
パニックのような反応。
不眠。
頭痛。
気分の落ち込み。
職場や家庭での強いストレス。
においへの過敏さ。
その場面を避けるようになって生活に支障が出ていること。

こうした状態が続いている場合、身体の病気の確認が必要なこともあります。

喘息、心臓の病気、アレルギー、呼吸器疾患などが関係していないかを確認することも大切です。

一方で、身体の検査では大きな異常がないのに、
動悸、不安、息苦しさ、不眠、緊張が続くこともあります。

そのような場合には、メンタルと身体の反応を一緒に整理していくことが役立つことがあります。

我慢し続けて、生活が狭くなっていませんか

タバコの煙がつらい方の中には、少しずつ生活範囲が狭くなっていく方がいます。

喫煙者のいる場所を避ける。
職場に行けない。
飲食店に入るのが怖くなる。
マンションや自宅周辺のにおいで緊張する。
家族との関係が悪くなる。
通勤中も、においに神経を使って疲れてしまう。
喫煙者と同じ空間にいるだけで体調が悪くなる。

最初は「煙が苦手」というだけだったものが、
いつの間にか、外出、仕事、人間関係、睡眠にまで影響してくることがあります。

その状態を、ひとりで抱え続ける必要はありません。

「気にしすぎ」で片づけなくていい

タバコの煙がつらいとき、周囲から、

「そのくらい大丈夫でしょ」
「少しだけだから」
「外なんだから仕方ない」
「もう吸い終わっているんだから問題ない」
「気にしすぎじゃない?」

と言われることがあるかもしれません。

しかし、実際に体調が悪くなる人にとっては、
それは単なる好き嫌いではありません。

動悸がする。
息が苦しくなる。
頭痛が続く。
不安が強くなる。
眠れなくなる。
仕事に集中できなくなる。

ここまで影響が出ているなら、
「気にしすぎ」の一言で終わらせなくてよい状態です。

受診を考えてよいサイン

次のような状態が続いている場合は、医療機関で相談することを考えてもよいかもしれません。

眠れない日が増えている。
職場や家庭の受動喫煙環境がストレスになっている。
気分の落ち込みやイライラが続いている。
頭痛、だるさ、吐き気などが続いて生活に支障がある。
「また煙にさらされるかもしれない」と考えて、外出や出勤がつらくなっている。

もちろん、まずは内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科などで身体の確認が必要な場合もあります。

そのうえで、動悸、不安、不眠、緊張、気分の落ち込みが続いている場合には、心療内科・精神科で相談できることがあります。

当院での受動喫煙防止対策について

保谷駅前こころのクリニックでは、望まない受動喫煙を防ぐための環境づくりを大切にしています。

タバコの煙は、単なる「におい」ではありません。
ニコチンを含む、神経や身体に作用しうる成分への暴露につながることがあります。

そのため当院では、院内での喫煙を認めていないことはもちろん、2次喫煙だけでなく、衣類、髪、持ち物などに残るタバコ臭や成分による3次喫煙にも配慮しています。

特に診察室は、患者さんが一定時間過ごす医療空間です。

心療内科の診察室には、薬物を内服するかどうかを迷いながら来院される患者様もいます。

そのような方が、知らないうちに、望まないニコチンやタバコ由来の薬物を体内に取り入れてしまうことは、あってはならないことだと考えています。

喫煙直後の方や、衣類・髪・持ち物に強いタバコ臭が残った方が配慮なく出入りすると、診察室内にタバコ由来のにおいが残ります。

その結果、次に使用する患者様のメンタルに悪い影響を及ぼす可能性もあり得ます。

受診される方の中には、タバコの煙やにおいによって、動悸、息苦しさ、不安、頭痛、気分不快、不眠などがさらに悪化しやすい方がいる場合があります。

そのため、喫煙直後の来院や、衣類、髪、持ち物に強いタバコ臭が残った状態での来院は、他の患者さんの体調に影響する可能性があります。

保谷駅前こころのクリニックでは、患者さん同士が安心して過ごせる医療環境を守るため、望まない受動喫煙、2次喫煙、3次喫煙を防ぐ取り組みを行っています。

これは、喫煙される方を責めるためではありません。

不安、不眠、動悸、息苦しさ、においへの過敏さなどを抱えて受診される方が、安心して診察を受けられる環境を守るためです。

保谷駅前こころのクリニックは、心身の不調を抱えた方が、安心して相談できる場所でありたいと考えています。

そのためにも、院内をできる限り安心安全な場所として保つことを大切にしています。

「マナー」の問題ではなく、「健康」の問題として、当院では受動喫煙防止に取り組んでいます。

(参考)

厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙」
厚生労働省 e-ヘルスネット「喫煙による健康影響」

当院での受動喫煙防止対策について

保谷駅前こころのクリニックでは、望まない受動喫煙を防ぐための環境づくりを大切にしています。

タバコの煙は、単なる「におい」ではありません。
ニコチンを含む、神経や身体に作用しうる成分への暴露につながることがあります。

そのため当院では、院内での喫煙を認めていないことはもちろん、2次喫煙だけでなく、衣類、髪、持ち物などに残るタバコ臭や成分による3次喫煙にも配慮しています。

特に診察室は、患者さんが一定時間過ごす医療空間です。

喫煙直後の方や、衣類・髪・持ち物に強いタバコ臭が残った方が配慮なく出入りすると、診察室内にタバコ由来のにおいが残り、次に使用する患者さんの体調に影響する可能性があります。

受診される方の中には、タバコの煙やにおいによって、動悸、息苦しさ、不安、頭痛、気分不快、不眠などが悪化しやすい方もいます。

そのため、喫煙直後の来院や、衣類、髪、持ち物に強いタバコ臭が残った状態での来院は、他の患者さんの体調に影響する可能性があります。

保谷駅前こころのクリニックでは、患者さん同士が安心して過ごせる医療環境を守るため、望まない受動喫煙、2次喫煙、3次喫煙を防ぐ取り組みを行っています。

これは、喫煙される方を責めるためではありません。

不安、不眠、動悸、息苦しさ、においへの過敏さなどを抱えて受診される方が、安心して診察を受けられる環境を守るためです。

保谷駅前こころのクリニックは、心身の不調を抱えた方が、安心して相談できる場所でありたいと考えています。

そのためにも、院内をできる限り安心安全な場所として保つことを大切にしています。

「マナー」の問題ではなく、「健康」の問題として、当院では受動喫煙防止に取り組んでいます。

おわりに

ニコチンは、薬理学的には神経に作用する物質です。

タバコの煙は、単なる「におい」ではありません。
神経やメンタルに影響しうる成分を含んでいます。

受動喫煙には、煙を吸い込む2次喫煙だけでなく、
衣類、髪、部屋、車内などに残った成分を吸い込む3次喫煙という問題もあります。

だからこそ、望まない受動喫煙を避けたいと思うことは、決して過剰な反応ではありません。

望まない暴露は、拒否してよいものです。

自分の健康を守るために、
その場を離れること。
距離を取ること。
「タバコの匂いがつらい」と伝えること。

それは、わがままではありません。

「マナー」の問題ではなく、「健康」の問題です。

保谷駅前こころのクリニックでも、望まない受動喫煙、2次喫煙、3次喫煙を防ぐための環境づくりを大切にしています。

参考

厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙」
厚生労働省 e-ヘルスネット「喫煙による健康影響」

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