上司ガチャで毎朝会社へ行くのが怖くなった方へ|診察室で涙が止まらなくなる前に|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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上司ガチャで毎朝会社へ行くのが怖くなった方へ|診察室で涙が止まらなくなる前に

上司ガチャで毎朝会社へ行くのが怖くなった方へ|診察室で涙が止まらなくなる前に|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年7月30日

「先生、私、上司ガチャに外れたんです。」

そう話し始めた途端、その方は黙りました。

うつむいて、何度か言葉を飲み込みます。

やがて、小さく息を吐くと、静かに涙がこぼれました。

「今日は泣くつもりじゃなかったんです。」

診察室では、この言葉を何度も耳にします。

会社では泣かない。

上司の前でも泣かない。

同僚には「大丈夫です」と笑う。

家族にも「疲れているだけ」と話す。

毎朝きちんと起きて、満員電車に乗り、何事もないように仕事を続けてきた。

それでも、診察室で仕事の話を始めた瞬間、それまで必死に押さえ込んでいた涙があふれてしまうのです。

ティッシュをお渡しすると、

「すみません。」

と謝る方がいます。

私は、そのたびに思います。

謝る必要はありません。

その涙は、弱いから流れたのではありません。

長い間張り詰めていた心が、「もう一人では抱えきれない」と教えてくれているサインなのかもしれないからです。

「上司ガチャ」という言葉が、多くの人の心に刺さる理由

「上司ガチャ」という言葉は、少し軽く聞こえるかもしれません。

しかし、この言葉がこれほど広まったのは、多くの人が共感したからでしょう。

その背景には、

「自分では選べない環境に苦しんでいる」

という現実があります。

毎日のように否定される。

「それくらい自分で考えて。」

「前にも言ったよね。」

説明を最後まで聞いてもらえない。

昨日と言うことが違う。

機嫌によって態度が変わる。

人前で叱責される。

休日や夜になっても仕事の連絡が来る。

こうした状況が何か月も続けば、心も体も疲れてしまうのは当然です。

「自分は仕事ができなくなった」と思っていませんか

診察室では、こんな言葉もよく聞きます。

「前は普通にできていた仕事なのに。」

「最近、ミスばかりです。」

「頭が回らなくなりました。」

そのたびに私は、すぐに能力の問題とは考えません。

睡眠不足が続き、常に緊張した状態では、集中力も判断力も低下します。

脳は危険な環境の中で、生き延びることを優先するようになります。

その結果、本来の力を発揮できなくなることがあります。

能力がなくなったのではありません。

疲れ切った脳が、「もう限界です」と知らせている状態なのです。

私たち精神科医が診ているのは、「性格」ではなく「環境」も含めた全体です

精神科では、その人の性格だけを見て診断することはありません。

眠れているか。

食欲はあるか。

朝になると体が動かなくなるのか。

会社へ向かう電車で動悸がするのか。

休日でも仕事のことが頭から離れないのか。

そして、

いつからそうなったのか。

何が変わったのか。

そこを丁寧に確認します。

実際に、

部署が変わっただけで眠れるようになった方。

上司が異動しただけで笑顔が戻った方。

転職後に薬が減った方。

そのような方を、私はこれまで何人も診てきました。

もちろん、職場の問題をすべて上司だけで説明できるわけではありません。

仕事量や人間関係、家庭での出来事、自分自身の体調など、複数の要因が重なっていることもあります。

だからこそ、一つひとつ整理しながら考えていくことが大切なのです。

「もう少しだけ頑張ります」が、一番心配です

真面目な人ほど、こう話します。

「もう少しだけ頑張ってみます。」

その言葉を聞くたびに、私は少し心配になります。

心には、目には見えないバッテリーがあります。

少しずつ減り続け、

ある朝突然、

会社へ向かう駅で足が止まる。

涙が止まらなくなる。

身体が動かなくなる。

そうなって初めて、

「本当に限界だったんだ。」

と気づく方が少なくありません。

残量がゼロになってから回復するよりも、

まだ少し残っているうちに休むほうが、回復は早いことが多いのです。

「上司ガチャ」は、人生ガチャではありません

今の上司は、人生の一部です。

人生そのものではありません。

部署異動という選択肢があります。

働き方を見直すという選択肢があります。

転職という選択肢もあります。

そして、自分の心を守るという選択肢もあります。

環境を変えることは、逃げではありません。

壊れてしまうまで耐えることだけが、「頑張ること」ではないのです。

最後に

もし最近、

毎朝会社へ行くのが怖い。

日曜日の夕方から気分が沈む。

夜になっても上司の言葉が頭から離れず眠れない。

会社の最寄り駅で動悸がする。

家に帰ると何もする気力が残っていない。

仕事の話をすると、なぜか涙が出てしまう。

そんな状態が続いているのであれば、一度立ち止まって考えてみてください。

本当に変えなければならないのは、自分でしょうか。

診察室で流れた涙は、

あなたが弱い証拠ではありません。

それは

「もう一人で抱え続けなくていい。」

という、心からのサインなのかもしれません。

一人で我慢を続ける前に、今の環境を見つめ直してみてください。

環境が変わることで、本来のあなたらしさを取り戻せることは、決して珍しいことではありません。

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