2026年9月16日
昼間は、まだ冷房をつけている。
ところが夜になると、風がひんやりする。
季節の変わり目には、同じ一日の中でも、昼と夜で空気が変わるような日があります。
いつも窓辺にいる猫が、今日は毛布の上で丸くなっている。
そんな姿を見ると、「この子も寒くなってきたのかな」と思うかもしれません。
ただ、いつもより動かない、食べに来ない、呼吸が速い。こうした変化があるときは、季節のせいだけにしないでください。
猫の心臓病は、普段の生活では目立たず、急に体調が悪化して初めて気づかれることがあります。
猫の心臓病の一つに、心臓の筋肉が厚くなる「肥大型心筋症」があります。症状が目立たない猫もいますが、心不全を起こすと、肺に水分がたまる肺水腫などによって、呼吸が速くなったり、苦しくなったりします。
「昨日まで普通に過ごしていたのに」
そう見える経過も、猫の心臓病では起こりえます。
ただし、昼と夜の気温差が大きくなった時期に具合が悪くなっても、それだけで「寒暖差が原因だった」とは判断できません。気温差の大きさから、心臓病の悪化を予測できるわけでもありません。
大切なのは、季節の変化に気づいたとき、猫自身の変化にも目を向けることです。
寝場所の寒さや暑さを見直すのと一緒に、眠っているときの胸の動きを、そっと見てみてください。
胸が上がって下がる動きを、呼吸一回として数えます。30秒間数えて二倍にすれば、一分間の呼吸数になります。ゴロゴロと喉を鳴らしているときや、動いた直後を避け、静かに眠っているときに確認します。
睡眠中の呼吸数が一分間に30回を超える状態が続く場合や、普段より明らかに増えている場合は、動物病院へ相談する目安になります。ただし、数字だけで心臓病を診断したり、安心と判断したりはできません。すでに治療中の猫では、主治医から個別の目安を聞いておくとよいでしょう。
口を開けて息をする、お腹を大きく動かして呼吸する、苦しそうで落ち着けない。こうした様子があるときは、呼吸数を測り続けず、すぐに動物病院や夜間救急へ連絡してください。心臓病以外でも、緊急の対応が必要なことがあります。
また、突然後ろ足が動かなくなり、強く痛がる場合も、心臓病に伴う血栓症の可能性があり、緊急の受診が必要です。片方の後ろ足だけ動かしにくいなど、左右差がみられることもあります。ただし、両方の後ろ足に症状が出る場合もあるため、左右差がなくても様子を見ず、動物病院へ連絡してください。
季節の変わり目だからといって、毎晩、猫を見張る必要はありません。
けれど、毛布を一枚出したり、ペットヒーターを用意したりしようと思ったそのときに、寝息にも少し目を向けてみる。
「寒くなったね」と声をかけながら、いつもと同じように、楽に呼吸しているかを見てみる。
一緒に暮らしているからこそ分かる「いつもと少し違う」は、動物病院に相談する大切な手がかりになります。
保谷駅前こころのクリニック
