2026年10月11日
「最近、気分が落ち込んでいる。でも、その前は元気だった」
「睡眠時間が短いのに疲れないので、仕事も予定もどんどん増やしていた」
こころの不調を振り返ると、落ち込んでいる時期だけでなく、普段より活動的だった時期が見つかることがあります。
双極性障害を考えるうえでは、つらい時期とともに、「元気な時期」にも目を向けることが大切です。
初期症状は、気分の落ち込みだけとは限りません
双極性障害は、気分や活動性が大きく高まる軽躁状態と、気分が落ち込むうつ状態などが現れる病気です。日常の出来事による気分の浮き沈みとは異なり、睡眠、行動、仕事や人間関係にも変化が生じます。
最初に気づく不調が、落ち込みや疲れやすさである場合もあります。一方、軽躁状態では本人が「調子がよい」と感じ、病気の症状として認識しにくいことがあります。
決まった順番で症状が現れるわけではなく、特定の症状だけで診断することもできません。
「眠れなくてつらい」と「眠らなくても平気」の違い
気づく手がかりの一つが、睡眠の変化です。
不眠では、眠りたいのに眠れず、翌日の眠気や疲れに困ることが多くあります。
一方、躁状態・軽躁状態では、睡眠時間が短くなっているのに、本人は疲れを感じず、活動を続けることがあります。
「夜遅くまで動いて、朝早く起きても平気」
「寝る時間がもったいなく感じる」
「睡眠が減ったのに、むしろ元気になっている」
こうした変化に、おしゃべりや予定の増加などが重なっている場合は、相談する手がかりになります。
普段の自分と比べて、行動が変わっていませんか
気分が高まる時期には、次のような変化が見られることがあります。
• いつもより話す量が増える
• 考えが次々と浮かび、頭が休まらない
• 仕事や外出の予定を急に増やす
• 大きな計画を立てる
• 買い物や契約などを、十分に考えず進める
• イライラが強くなり、周囲と衝突する
楽しそうに見えるとは限らず、怒りっぽさが目立つ場合もあります。
ただし、買い物をした日やイライラした日があるだけで、双極性障害とはいえません。「普段と明らかに違う変化がまとまって現れ、数日以上続いているか」「生活への影響があるか」が重要です。
落ち込んで受診するときも、元気だった時期を伝えてください
診察では、現在のつらさに加えて、過去の睡眠や行動の変化も伝えてください。
「今は動けませんが、以前、あまり寝ずに活動していた時期がありました」
この一言が、経過を理解する手がかりになります。
いつ頃から、何日ほど続いたのか。睡眠はどのくらいだったのか。支出や仕事量は変わったのか。家族から何と言われたのか。
本人には調子がよかった時期でも、周囲は変化に気づいていることがあります。可能であれば、ご家族の気づきや当時の記録も診察に役立てましょう。診断には、現在の症状だけでなく、これまでの経過を確認することが必要です。
「調子がよいはずなのに」と感じたら、相談を
睡眠が大きく減り、活動や支出が増えている。周囲から「いつもと違う」と言われる。その後に、強い落ち込みが続く。
こうした変化は、自己判断で様子を見続けず、心療内科で相談してください。ほとんど眠らず活動し続けている、行動を抑えられない、生活に大きな支障が出ている場合は、速やかな評価が必要です。
落ち込んでいる自分だけでなく、元気すぎた自分のことも話してよいのです。
保谷駅前こころのクリニックへの受診をご希望の方は、まずWEB問診に、現在の症状と過去の気分・睡眠・活動の変化をご記入ください。当院は完全予約制です。問診内容を確認し、当院で対応可能な方へWEB予約をご案内しています。
保谷駅前こころのクリニック
