第217話 パニック障害の薬は依存する?|SSRIと抗不安薬の違いを整理する|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

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第217話 パニック障害の薬は依存する?|SSRIと抗不安薬の違いを整理する

第217話 パニック障害の薬は依存する?|SSRIと抗不安薬の違いを整理する|保谷駅前こころのクリニック|西東京市「保谷駅」北口すぐの心療内科

2026年3月05日

「パニック障害の薬を飲むと、依存してやめられなくなるのではないか」
そう心配して、受診や治療をためらう方がいます。
精神科や心療内科で使う薬が、すべて同じように依存を起こすわけではありません。
パニック症状に使われる薬には複数の種類があり、効果が現れるまでの時間、使う目的、依存や離脱症状に関する注意点が異なります。
大切なのは、「精神科の薬は依存する」「依存しない」と一括りにすることではありません。どの薬を、何のために、どのように使うのかを確認することです。
パニック症状の薬は、大きく性質が異なる
パニック症状の薬物療法では、主に次のような薬が検討されます。
継続して服用し、発作や予期不安を整える抗うつ薬
強い不安を一時的に抑える抗不安薬
不眠など、併存する症状に応じて使用する薬
同じ「不安の薬」と説明されても、それぞれの働き方は異なります。
すぐに効果を感じやすい薬もあれば、効果を確認するまでに一定の時間が必要な薬もあります。
依存が心配な場合は、薬の名前だけでなく、「毎日飲む薬なのか」「必要時だけ使う薬なのか」「どのくらいの期間を想定しているのか」を確認することが重要です。
SSRIは「飲みたくて仕方なくなる薬」ではありません
パニック症では、SSRIなどの抗うつ薬が検討されることがあります。
抗うつ薬という名称ですが、うつ病だけに使う薬ではありません。不安症やパニック症状に使われることもあります。
SSRIは、服用すると高揚感が得られ、さらに薬を欲しくなるという性質の薬ではありません。
一般的な意味での依存や嗜癖は、薬への強い欲求が生じる、使用量を自分で制御できなくなる、薬を得るための行動が中心になるといった状態を指します。
SSRIは、通常そのような使われ方をする薬ではありません。
ただし、「依存しない」という説明を、「急に中止しても何も起こらない」という意味に受け取らないことが大切です。
SSRIには中止後症状が起こることがあります
SSRIなどの抗うつ薬は、急に中止したり、飲み忘れたり、短期間で減量したりすると、中止後症状が起こることがあります。
症状には個人差がありますが、例えば次のようなものがあります。
めまい
吐き気
頭痛
不安感
イライラ
不眠
感覚の違和感
ふわふわする感じ
こうした症状があると、「薬が切れて苦しいのだから依存している」と感じるかもしれません。
しかし、薬への強い欲求や、快感を求めて使用量が増える依存とは、分けて考える必要があります。
抗うつ薬を中止するときは、自己判断で急にやめず、症状を確認しながら段階的に減らすことが基本になります。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬では依存に注意する
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、強い不安や緊張を比較的速く和らげることがあります。
発作が起きそうなときに薬を持っていることで、安心して電車へ乗れるようになる方もいます。
一方、即効性を感じやすい薬だからこそ、使い方には注意が必要です。
連日の使用や長期使用、用量の増加などによって、次のような問題が起こることがあります。
同じ量では効きにくくなる
薬がないと強い不安を感じる
使用回数が次第に増える
減らすと不安や不眠が強くなる
発作がなくても予防的に飲みたくなる
すべての人に依存が起こるわけではありません。しかし、漫然と使用し続けないよう、服用回数と使用期間を確認する必要があります。
不安症に対するベンゾジアゼピン系薬は、特別な理由がある場合を除き、長期治療の中心として使用する薬ではないという考え方があります。
「頓服を持っていないと電車に乗れない」とき
頓服薬があることで、仕事や通勤を維持できることがあります。
そのため、頓服を使うこと自体を否定する必要はありません。
一方で、次のような変化がある場合は、治療方針を見直す時期かもしれません。
頓服を使う日が増えている
電車へ乗る前に必ず飲むようになった
薬を忘れると外出できない
以前より強い薬を求めるようになった
薬を飲んでも行動範囲が狭くなっている
眠気やふらつきが仕事に影響している
頓服の使用回数は、パニック症状がどの程度安定しているかを知る手掛かりになります。
診察では、「飲んだかどうか」だけでなく、どの場面で、週に何回使い、その後どうなったかを確認します。
薬を使わないことにも負担があります
依存が怖いから、どの薬も使いたくない。
そう考えること自体は自然です。
しかし、治療を避け続けることで、発作への恐怖が強まり、電車、会議、外出などを避ける範囲が広がる場合があります。
薬のリスクだけでなく、症状が続くことによる次のような影響も考える必要があります。
通勤方法が限られる
遅刻や欠勤が増える
一人で外出できなくなる
旅行や会食を避ける
発作を恐れて予定を入れられない
睡眠や仕事に影響が出る
薬を飲むか飲まないかを、恐怖だけで決める必要はありません。
症状の程度、生活への影響、心理療法などの選択肢、薬の利点と注意点を比較しながら決めます。
薬だけで治療するとは限りません
パニック症状の治療は、薬物療法だけではありません。
認知行動療法では、身体感覚への受け止め方、発作への予期不安、回避行動などを整理します。
また、睡眠不足、過労、カフェイン、飲酒などが症状を強めている場合は、生活上の調整も必要です。
薬を使用する場合も、薬だけに頼るのではなく、発作が起こる状況や生活背景を確認することが大切です。
診察で確認しておきたいこと
薬への依存が心配な場合は、診察で次の点を確認してください。
何のために使う薬か
毎日飲む薬か、頓服薬か
効果が現れるまでどのくらいかかるか
どのような副作用が考えられるか
依存や耐性に注意が必要な薬か
どの程度の期間を想定しているか
中止するときはどのように減らすのか
眠気や運転への影響はあるか
薬の説明を聞いたうえで、納得できない場合は、その場で確認して構いません。
「薬を出されたから飲む」だけでなく、目的と出口を理解して治療を始めることが大切です。
まとめ
パニック症状に使う薬が、すべて依存を起こすわけではありません。
SSRIなどの抗うつ薬は、一般的な意味での依存を起こす薬ではありませんが、急な中止による中止後症状には注意が必要です。
一方、ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、使用方法や期間によって耐性や依存が問題になることがあります。
薬の種類を区別せず、「精神科の薬だから怖い」と考える必要はありません。
どの薬を、何のために、どの程度の期間使うのか。中止するときはどうするのか。
治療を始める段階で、この二つを確認しておくことが重要です。
保谷駅前こころのクリニックへのご相談
当院は完全予約制です。
ご記入いただいたWEB問診をもとに、医師が内容を確認し、当院でお力になれると判断した場合に、WEB予約をご案内します。
WEB問診を書けば、必ず予約できるという仕組みではありません。
予約枠が限られている中で、小規模クリニックのため、診療体制上、すべてのご相談をお引き受けできるわけではありません。
保谷駅前こころのクリニックは、保谷駅北口の階段を降りた目の前、いなげや保谷駅前店2階にあります。
電車や外出先でパニック症状が起こる、薬を勧められたが依存が心配、仕事を続けながら治療方法を検討したい方は、現在の症状、服薬歴、薬について心配していることをWEB問診からお知らせください。

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