2026年2月16日
「また、この時期だ」
生理前になると、なぜかイライラする。
昼間に言われた一言が、夜になっても頭から離れない。
布団に入ってから思い出して、また腹が立つ。
今度は、
「あんなことでイライラした自分も嫌だ」
と自分を責め始める。
時計を見ると、もう深夜。
明日も仕事なのに眠れない。
こんな夜が続けば、
「とにかく眠れる薬がほしい」
と思うのも自然なことです。
ただ、PMSの時期に眠れない方を診るとき、私は「何時間眠れなかったか」だけを見ません。
「その眠れない夜は、毎月いつ来ていますか」
ここを確認します。
PMSの不眠では、「日付」が大切です
たとえば、
普段は眠れている。
生理の5日前くらいから寝つきが悪くなる。
同じ時期にイライラや不安も強くなる。
生理が始まると、数日でまた眠れるようになる。
こうした経過なら、「不眠」だけを切り取るより、月経周期との関係を一緒に見た方が分かりやすくなります。
一方で、
生理前だけではなく、一か月を通して眠れない。
休日も眠れない。
気分の落ち込みや不安もずっと続いている。
ということであれば、PMSだけでは説明できない可能性も考えます。
同じ「眠れない」でも、時間軸が違えば、見方も変わります。
毎月5日だけ眠れない人を、365日眠れない人と同じようには考えません。
「睡眠薬をください」の前に、少しだけ聞きたいことがあります
診察室で、
「睡眠薬がほしいです」
と言われることがあります。
もちろん、不眠そのものへの治療を考えることはあります。
ただ、その前に私は、
「毎月ですか」
「生理の何日前くらいからですか」
「生理が始まったあと、睡眠はどうなりますか」
と聞くことがあります。
睡眠薬が必要かどうかだけではなく、
なぜ、その数日だけ眠れなくなるのか。
そこを整理したいからです。
PMSを診るとき、症状をカレンダーの上に置いてみる。
すると、それまで別々に見えていた「イライラ」と「不眠」が、同じ周期の中に並ぶことがあります。
イライラした夜は、頭の中だけ仕事が続いている
生理前の不眠では、
「眠気が来ない」
だけではないことがあります。
上司に言われたこと。
同僚の態度。
家族とのやり取り。
昼間なら流せたはずのことが、夜になって何度も頭の中に戻ってくる。
体は布団の中にいるのに、頭の中だけまだ仕事中です。
そのため私は、
「眠れません」
だけではなく、
「布団に入ってから、何を考えていますか」
も気にします。
睡眠を整えるということは、眠気を作ることだけではありません。
夜まで続いている覚醒を、どこで終わらせるかを考えることでもあります。
「また今月も」を記録してみる
PMSやPMDDを考えるうえでは、症状が月経周期と関連して繰り返しているかを見ることが大切です。
難しい記録でなくても構いません。
「今日は眠れなかった」
「今日はイライラが強かった」
「今日、生理が始まった」
これだけでも、2か月、3か月と並べると見えてくるものがあります。
診察室で役に立つのは、完璧な説明より、日付だったりします。
「PMSだから睡眠薬」でも、「我慢する」でもありません
PMS・PMDDの治療には、生活リズムの調整、心理的なアプローチ、薬物療法、婦人科で検討されるホルモン治療など、いくつかの選択肢があります。
だから、
「生理前に眠れないから睡眠薬」
と最初から決める必要もありません。
逆に、
「毎月のことだから仕方ない」
と我慢し続ける必要もありません。
何日前から始まるのか。
眠れない夜に何が起きているのか。
生理が始まると戻るのか。
そこから考えます。
生理前になると眠れない方へ
「毎月、生理前だけ眠れない」
「その時期になるとイライラして、布団に入っても頭が止まらない」
そこまで分かっていれば、十分に大切な情報です。
当院は完全予約制です。
WEB問診をもとに医師が内容を確認し、当院でお力になれる場合にWEB予約をご案内します。
生理前の何日間に、どんなふうに眠れなくなるのか。
そのままWEB問診に書いてください。
保谷駅前こころのクリニック
